最近、書店でふと手に取った夏川草介さんの新作『スピノザの診療室』


帯には「映画化決定」の文字があり、思わず惹かれて購入しました。

きっとスケールの大きい医療ドラマなのだろう。命と向き合う——そんな重いテーマが続くのかと身構えて読み始めたのですが、実際はまったく違う印象でした。

とても深く、しかし穏やかで静かな時間が流れていく。

読み進めるほどに、心がゆっくり整っていくような感覚すらありましたニコニコ

現場を知るからこそ描ける、医療のリアリティ

私は医療系学会で、ナレーターを務めさせていただくことがありますニコ

医師や研究者の方々と同じ空間に身を置くと、医療の世界はとても緊張感がありつつも、温かさと使命感に満ちているといつも感じます。

『スピノザの診療室』に描かれていた人間関係や医療現場の空気感は、まさにその延長線上にありました。

現場の空気を知る著者だからこそ書ける“誠実な医療小説”。

単なるフィクションではなく、命と向き合う人たちの現実が丁寧に描かれていて、読んでいて胸が熱くなるシーンがいくつもあります!

夏川草介氏といえば『神様のカルテ』の著者としても有名ですが、今回の作品にも彼の原点である「医師としての目線」が自然に、そして強く息づいていました。

物語の舞台に関西・京都が登場して親近感


物語の中には、関西の地名や京都の風景が登場します。

私にとっても馴染み深い場所なので、読みながら「あ、ここ知ってる!」と情景がスッと浮かび、より物語の世界へと引き込まれました。

医療という重さのあるテーマの中に、懐かしい風景や空気がふっと差し込まれることで、作品全体に不思議な温かさが生まれていました♪

「スピノザ」から読み取れる、静かな勇気

哲学者スピノザの名前がタイトルに使われている点も、とても興味深いところです。

スピノザの思想は、医療の現場と重なる部分が多いのかもしれません。

命と向き合うということは、劇的な勇気ではなく、静かに、真摯に、日々を積み重ねていく勇気なのだと、この物語を通して感じました。

読後には、ふっと胸の奥が温かくなるような余韻が残りますニコ

また次の作品を読みたくなる一冊

『スピノザの診療室』は、医療の世界に関わる人だけでなく、

「誰かを支えたい」「寄り添うということを考えたい」そんな思いを持つすべての人に、手に取ってほしい作品です。

医療小説でありながら、とても読みやすく、やわらかく、静かな力強さを持っています。

読み終えた後、私はすぐに

「夏川草介著作のほかの作品も、また読みたい」

そんな気持ちになりました。心がそっと整うような一冊。

ぜひ、ページをめくってみてください。


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