第4話・後編
タイムオーバー。仮面の女王へ贈る、終わりの合図
【玲奈:お金がどうしても用意できないの!お願いだからあと1週間待って!旦那に言われたら本当に死んじゃう、お願い!】
金曜日の14時55分。スマホの画面に滑り込んできたのは、玲奈さんからのなりふり構わない命乞いのメッセージだった。
銀行のロビーで、私はその画面を冷ややかに見つめていた。
午後15時。カチリと、時計の針が冷酷に期限を告げた。
スマートフォンの口座画面を更新するが、入金金額は「0円」のまま。
「タイムオーバーよ、玲奈さん」
私は1分の猶予も与えず、隣に控えていた佐藤弁護士に短く「お願いします」と告げた。
「承知しました。ただちに動きます」
佐藤弁護士の手によって、玲奈さんの超エリートな旦那さんの個人スマホ、そして勤務先のコンプライアンス窓口宛てに、一通のデータ一式が送信された。
中身は、玲奈さんが夫のサインを偽造して我が家から300万円を騙し取った詐欺の証拠、複数の消費者金融の借金リスト、そして探偵が捉えた不倫の決定的な写真だ。
そして、私の報復はこれだけでは終わらない。
その日の夕方。幼稚園のお迎えの時間。
いつも通り、園庭の前にはママ友たちがグループを作って立ち話をしていた。
そこへ、いつになく顔を真っ青にし、髪も少し乱れた玲奈さんが現れた。旦那さんから連絡がいったのだろう、スマホを握る手が小刻みに震えている。
「あ、玲奈さん、お疲れ様」
私がいつも通りの声で近づくと、玲奈さんは憎悪に満ちた目で私を睨みつけた。
「あんた……! 本当に、本当に主人に送ったのね!? よくも私を泥沼に落としてくれたわね……っ!」
周囲のママ友たちが、何事かと一瞬で静まり返り、私たちの動向に注目した。
「何のこと? 玲奈さん」
私はあえて周囲に聞こえるような、困惑した大きな声で言った。
「私、ただ『あなたのアカウント』を見つけただけよ? ここにいるママたちのことも『見栄っ張りの馬鹿ども』『芋くさい引き立て役』って裏アカウントで写真付きで嘲笑ってたの、あれ本当に玲奈さんだったのね……? 悲しいわ」
「な……っ!? なにそれ!?」
周りのママ友たちの目の色が一瞬で変わった。
私はすかさず、カバンから何枚も印刷しておいた「あの裏アカウントの魚拓スクショ」を、仲の良かったママ友のリーダー格の女性に手渡した。
「これ……、これ私の後ろ姿じゃない! 最低……!」
「え、これ○○ちゃんちの車のこと? 貧乏人の軽自動車って……何これ、玲奈さん、あなたが書いたの!?」
次々とスクショを覗き込み、ママ友たちの間に怒りの火の手が広がっていく。
「ち、違うの! これは私のじゃなくて……! 誰かが私を陥れるために……っ!」
玲奈さんは必死に言い訳を叫んだが、その時、彼女のスマホに旦那さんからの冷徹なメッセージが着信したのが見えた。
【今すぐ荷物をまとめて家を出ろ。離婚だ。弁護士を通す】
「あ……、あ、ああ……っ!」
ママ友たちからの蔑みの視線、そして家庭の崩壊。
完璧だったタワマンの女王の仮面が、表社会でも、裏社会でも、完全に粉々に砕け散った瞬間だった――。
💬 管理人コラム
第4話・後編を最後までお読みいただきありがとうございました!
キ、キ、キ、キターーー!!!特大の因果応報!!!爆発です!💥✨
言い訳を聞かずにきっちり旦那さんに証拠を全送付、さらに幼稚園のママ友コミュニティの前で、裏アカの悪事を白日の下に晒す沙織さんの頭脳戦、100点満点中10000点です!周囲のママ友たちがスクショを見て激怒するシーン、最高に鳥肌が立ちました!
旦那さんからも即座に「離婚」を突きつけられ、文字通りすべてを失った玲奈さん。これまで他人を見下してきた代償はあまりにも大きかったですね。
これで連載も後半戦、次回からは第5話がスタートします!
すべてを失い発狂寸前の玲奈さんが見せる最後のあがき、そして沙織さんの元へ戻ろうとする夫・拓也の結末は……!?
「今回のスカッと劇、最高だった!」という方は、ぜひ『いいね』やコメントで完結までの応援メッセージを届けてくださいね!👇