第4話・中編
掌返しの土下座。壊れたおもちゃの無様な泣き言
「低年収夫、お買い得なワインで大喜び。ちょろすぎて笑える」
自分が心酔していた「完璧な女王」の本音を突きつけられ、拓也はガタガタと震えながら、ソファーから床へと崩れ落ちた。
さっきまで「高いステージへ行く」と豪語していた男のプライドは、見る影もなく粉々に砕け散っている。
「あ……、あ、沙織……! 俺、騙されてたんだ! 玲奈さんは俺の能力を認めてくれてるって、本気で信じてたんだよ……!」
拓也は床に両手をつき、私に向かって必死に土下座をしてきた。
「俺が悪かった! 離婚の話はナシだ、ナシにしてくれ! 300万円だって、玲奈さんに言って今すぐ返してもらうから! だからお願いだ、見捨てないでくれ!」
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、私の足元にすがりついてくる夫。
つい数分前まで私を「地味で世間知らず」と見下していた男が、形勢が悪くなった途端にこの無様な豹変ぶりだ。
呆れを通り越して、心の底から冷ややかな感情しか湧いてこなかった。
「都合が良すぎるのよ、拓也」
私はすがりつく彼の手を冷たく振り払い、ソファーから見下ろした。
「あなたが玲奈さんに騙されていたのは事実でしょうね。でもね、私を裏切って、娘の将来のための大切な貯金を勝手に差し出したのは、他の誰でもないあなた自身の意思よ。その罪は消えないわ」
「沙織……っ!」
「離婚届なら、あなたがさっき持ってきてくれたじゃない。喜んでサインさせてもらうわ。ただし、条件があるの」
私は佐藤弁護士と作成しておいた、もう一通の書類を拓也の目の前に突きつけた。
「親権は当然私が持つわ。それから、あなたの不貞行為に対する慰謝料、そして娘が大学を卒業するまでの養育費の算定書よ。 これにサインしないなら、あなたの会社にもこの浮気調査の報告書を提出せざるを得ないわね」
「そんな……! 会社にバレたら、俺、いられなくなる……!」
「じゃあ、サインしなさい」
私の冷徹な声に圧された拓也は、幽霊のような顔をして、震える手でペンを取り、書類に名前を書き込んだ。
こうして、裏切り者の夫への処分は完了した。
そしてついに、玲奈さんに突きつけた「金曜日15時」の返金期限がやってくる。
金曜日の14時50分。私は銀行のロビーで、スマホの口座画面を見つめていた。
残された時間はあと10分。
追い詰められたタワマンの女王は、果たしてプライドを捨てて300万円と慰謝料を用意できたのか。
画面が静かに更新されたその瞬間、私のスマホに、玲奈さんからの狂気じみたメッセージが滑り込んできた――。
💬 管理人コラム
第4話・中編をお読みいただきありがとうございました!
拓也の無様な土下座、まさに「自業自得」の見本市のような展開でしたね!切り捨てられる側の絶望を、少しは思い知ったでしょうか。沙織さんのブレない冷徹な対応、本当にスカッとします!大快挙です!判決、一発アウト!宣告通りですね!⚖️
そして物語はいよいよ、玲奈さんへの返金期限である「金曜日の15時」を迎えます。
次回、第4話・後編(第4話完結編)では、期限直前に玲奈さんが見せる「最悪の悪あがき」と、沙織さんがついに仕掛ける『最終包囲網』が炸裂します!タワマンコミュニティを巻き込んだ大波乱の結末をお見逃しなく!
「次回のトドメの一撃が待ちきれない!」という方は、ぜひ『いいね』やコメントで応援の声を届けてくださいね!👇