第3話・中編
静かなる反撃。テーブルの上に並べられた女王の「恥部」
「早く離婚届にサインして、身の丈に合ったボロアパートにでも引っ越したら? あなたと拓也さんじゃ、格が違いすぎるのよ」
紅茶の湯気の向こうで、意地の悪い笑みを浮かべる玲奈さん。
私はゆっくりと紅茶を一口すすり、カバンから綺麗な白い封筒を取り出した。
「……何これ? 離婚届? 気が利くじゃない」
玲奈さんは勝ち誇ったように手を伸ばそうとしたが、私はその手より早く、封筒から数枚の「写真」と「書類のコピー」をテーブルの上に滑らせた。
それを見た瞬間、玲奈さんの顔から、文字通りすうっと血の気が引いていくのが分かった。
「え……、何、これ……っ」
テーブルの上に並んだのは、玲奈さんが夜遅く、帽子を深く被って雑居ビルの消費者金融(サラ金)のATMから暗い顔でお金を引き出している鮮明な写真。
そしてもう一枚は、拓也に渡された「投資契約書」の旦那さんの署名部分と、本物の旦那さんの筆跡を並べて比較した、法律事務所による鑑定書のコピーだった。
「玲奈さん。これ、あなたの旦那さんの本物のサインじゃないわよね?」
私はいつもの気弱なトーンを捨て、冷徹極まりない声で語りかけた。
「あなたが旦那さんの名前を勝手に偽造して、うちの夫から300万円を騙し取った。そのお金、あなたの複数のサラ金の返済と、リボ払いの穴埋めに消えたんでしょう?」
「な、何言ってるのよ! 妄想もいい加減にして! 営業妨害よ、警察呼ぶわよ!」
玲奈さんはガタタッと音を立てて立ち上がり、必死に声を荒らげたが、その指先は目に見えてガタガタと震えていた。
ラウンジの上品な客たちが、何事かとこちらに目を向け始める。
「どうぞ、警察でも旦那さんでも、今すぐここに呼んでちょうだい」
私はまっすぐに彼女を見据え、冷たい微笑みを浮かべた。
「もし今すぐ警察を呼ぶなら、私はこの偽造契約書と、あなたがサラ金に追われている証拠一式を、あなたの超エリートな旦那さんの会社とご実家にその場でFAXします。 ああ、それから、あなたが私たちを『底辺家族』と呼んで観察していたあの裏アカウントの魚拓も、すべて一緒に添付させてもらうわね」
「あ……、う、嘘……。なんで、あんたが、それを……っ」
玲奈さんはガクガクと膝を震わせ、力なくソファへと崩れ落ちた。
モラハラで家計に厳しい旦那さんに、借金と詐欺行為、そして他人の夫との不倫がバレたらどうなるか――彼女が一番よく分かっているはずだ。タワマンの女王の仮面が、今、無惨に粉々に砕け散った。
「さあ、どうする? 玲奈さん。私の300万円、どうやって返してくれるのか、今すぐここで話し合いましょうか」
逃げ場を完全に失った玲奈さんの瞳が、恐怖の涙で潤み始めていた――。
💬 管理人コラム
第3話・中編をお読みいただきありがとうございました!
いや〜!スカッと展開が止まりません!😆✨
「早くボロアパートへ引っ越せ」とまで言っていた玲奈さんが、サラ金の写真と旦那さんのサイン偽造の証拠を突きつけられて一瞬で形勢逆転!顔を真っ青にしてソファにへたり込むシーンは、本当に胸がすく思いです!ざまあみろとはまさにこのことですね!
他人の家庭を壊して笑っていたモンスターが、今度は自分の家庭の崩壊に怯える番です。沙織さんの容赦ない詰め寄りが本当に素晴らしい!
次回、第3話・後編では、追い詰められた玲奈さんが見せる「見苦しい悪あがき」と、沙織さんが突きつけるさらなる包囲網が描かれます!
物語はここからさらに加速していきますので、ぜひ『いいね』やコメントで次回の更新を催促してくださいね!(笑)お待ちしています!👇