第1話・前編
親切なママ友の、甘い罠。タワマンの女王が私に近づいた理由
「沙織さん、今度の日曜日、うちで臨時のホームパーティーをするんだけど……もしよかったら、娘さんと一緒に遊びに来ない?」
幼稚園の降園時、そう言って眩しい笑顔を向けてくれたのは、ママ友の玲奈さんだった。
玲奈さんは、この界隈で知らない人はいない有名人だ。
駅前にそびえ立つ高級タワーマンションの最上階に住み、SNSでは数万人のフォロワーを持つ、まさに「完璧なシロガネーゼ風ママ」。
いつもハイブランドの服を上品に着こなし、旦那さんは外資系企業の超エリートだという。
片や、私は地元の地味な工務店で働く夫・拓也と、4歳の娘と暮らす至って普通の主婦。
着ている服も、普段の買い物も、玲奈さんとは住む世界が違いすぎる。
「えっ、私なんかお邪魔していいの……?」
思わず気後れして尋ねると、玲奈さんは優しく私の手を握りしめた。
「何言ってるの!沙織さんっていつも聞き上手で、私、お話ししてるとすごく落ち着くの。他の見栄っ張りなママたちとは違って、信頼できるなってずっと思ってたんだ」
そんな風に言われて、嬉しくないわけがなかった。
少し控えめで人付き合いが苦手な私は、「こんな素敵な人と友達になれるなんて」と、舞い上がるような気持ちで招待を受けることにした。
日曜日。
玲奈さんの住むタワマンの最上階に一歩足を踏み入れた瞬間、私はその豪華さに圧倒された。
大きな窓から一望できる街並み、大理石の床、そしてテーブルに並ぶ高級ケータリングの料理の数々。
「うわあ……すごいね、玲奈さん」
「ふふ、大したおもてなしもできなくてごめんね?」
謙遜する玲奈さんだったが、その瞳の奥には、私を見て明らかに「優越感」に浸っているような、奇妙な光が混じっている気がした。
でも、その時の私は、ただ圧倒されて気のせいだと思い込もうとしていたのだ。
パーティーの途中、私の夫・拓也が娘を連れて少し遅れて合流した。
拓也は良くも悪くも見栄っ張りで、少し流されやすい男だ。
高級な空間に緊張しつつも、拓也は玲奈さんに挨拶をした。
「はじめまして、沙織の夫の拓也です。いつも妻が我が儘を言っていないか心配で……」
「あら、拓也さん!お噂は沙織さんから伺っていました。ハウスメーカーにお勤めなんですって?素敵なお仕事ですね!」
玲奈さんは一瞬でトーンの上がった声で拓也を迎え、じっと彼の顔を見つめた。
<その視線は、ただの「ママ友の旦那さん」に向けるものにしては、あまりにも熱っぽく、ねっとりとしたものだった。
(……え?)
胸の中に、冷たいざわつきが広がる。
親切で完璧なママ友、玲奈さん。
しかし、彼女が我が家に近づいてきたのには、思いもよらない「裏の理由」があったのだ――。
💬 管理人コラム
新連載スタートです!いかがでしたでしょうか?✨
誰にでも優しくて完璧な憧れのママ友・玲奈さん。しかし、彼女の視線や態度にはどこか不穏な空気が漂っていますね……。
地味だけど幸せに暮らしていた沙織さんの家庭に、これから一体どんな嵐が吹き荒れるのか。そして、玲奈さんの本当の目的とは!?
次回は、玲奈さんが隠している「恐ろしい裏の顔」が早くも暴かれます。ぜひ読者登録をしてお待ちください!
皆さんの最初の感想や、玲奈さんへのプチ警戒予報(笑)など、コメント欄でぜひ教えてくださいね!👇