【第1話】「最後に“名前”で呼ばれたの、いつだったっけ」

最近、夫から名前で呼ばれていないことに気づきました。


「ママ」

「ちょっと」

「ねぇ」


そればかり。


付き合っていた頃は、あんなに名前を呼んでくれていたのに。

「◯◯ちゃん」って。

それだけで嬉しかった時期が、確かにあったんです。


でも今は。


夫のスマホの登録名ですら、私はもう“ママ”でした。


その事実に気づいた瞬間。


なぜか胸がぎゅっと苦しくなったんです。


■気づけば「役割」だけになっていた

朝は5時半起き。

お弁当を作って、子どもを起こして、洗濯を回して。

自分の支度は後回し。


仕事へ行って、帰宅したらまた家事。


夕飯。

片付け。

学校のプリント確認。

翌日の準備。


気づけば一日が終わっています。


毎日、本当に必死でした。


でも、ある時ふと思ったんです。


“私って今、誰として生きてるんだろう”って。


母親。

妻。

会社員。


全部“誰かのための役割”。


そこに、“自分”がいなかったんです。


■鏡を見るのが嫌になった

40歳が近づいた頃から、鏡を見る時間が減りました。


というより。

見たくなくなったんです。


疲れた顔。

隠せないほうれい線。

パサついた髪。


昔の自分との違いばかりが目についてしまう。


若い頃は、服を選ぶのが好きでした。

コスメを見るだけで楽しかった。


でも今は。


「汚れてもいい服」

「動きやすい靴」

「安い化粧水」


全部、“自分を雑に扱う基準”で選んでいました。


■夫の無関心

一番きつかったのは、夫の無関心でした。


別に褒めてほしいわけじゃない。

恋愛みたいな関係に戻りたいわけでもない。


でも。


あまりにも“見られていない”。


髪を切っても気づかない。

新しい服を着ても無反応。

体調が悪くても「大丈夫?」の一言もない。


まるで私は。


“家を回すための装置”みたいでした。


■スーパーで見かけた女性

ある日、スーパーで同年代くらいの女性を見かけました。


綺麗にメイクしていて。

姿勢も綺麗で。

ちゃんと“自分”を持っている感じがしたんです。


その瞬間。


すごく惨めな気持ちになりました。


私はいつから、こんな風になったんだろう。


いつから。


「女」でいることを諦めたんだろう。


■突然、涙が出た夜

その日の夜。

家族が寝静まったあと、一人で洗い物をしていました。


静かなキッチン。

流れる水の音。


その時、急に涙が出たんです。


理由なんて、自分でも分かりませんでした。


でも多分。


ずっと苦しかったんだと思います。


誰かのために動くことが当たり前になって。

“自分の気持ち”を置き去りにして。


気づけば。


自分の人生なのに、自分がいなくなっていた。


そして、その時ふと思ったんです。


最後に名前で呼ばれたの、いつだったっけ——って。


(第2話へ続きます)


■管理人より

アラフォー世代の女性から、本当に多く届く悩みがあります。


それは、“女性として扱われなくなる苦しさ”。


母親として。

妻として。

社会人として。


役割ばかりが増えて、“自分自身”を見失ってしまう方は少なくありません。


でも、「寂しい」と感じることは悪いことじゃない。

誰かにちゃんと見てほしいと思う気持ちは、自然な感情だと思います。


■体験談募集

アラフォー女性の本音・夫婦関係・人生の孤独に関する体験談を募集しています。

・女性として見られなくなった
・夫の無関心が辛い
・家庭の中で孤独を感じる


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