【第2話】「お前なんか一人じゃ生きていけない」夫のモラハラが加速した日々

第1話の続きです。


「それ、お前の都合だよね?」


あの日の夫の言葉は、今でも忘れられません。

でも本当に苦しかったのは——

そこからでした。


■“無言”の圧力

夫は怒鳴るタイプではありません。

だから周囲には、穏やかな人に見えていました。


でも、機嫌が悪くなると空気が一変するんです。


無言。

ため息。

露骨な態度。


それだけで、家の空気は凍りました。


私は、夫が帰宅する時間が近づくたびに緊張するようになっていました。


玄関のドアが開く音だけで、心臓が跳ねる。


「今日は機嫌いいかな」

「怒らせないようにしなきゃ」


そんなことばかり考えていました。


■人格を否定する言葉

夫は、少しずつ“人格そのもの”を否定するようになっていきました。


「ほんと頭悪いよね」
「だからお前はダメなんだよ」
「社会で働けない理由わかるわ」


最初は反論していました。

でも、言い返すと倍になって返ってくるんです。


「図星だから怒ってるんでしょ?」


だから私は、黙るようになりました。


■お金で支配される

さらに辛かったのは、お金のことでした。


夫は生活費を渡すたびに、恩着せがましく言うんです。


「感謝したほうがいいよ?」


美容院。

服。

子どもの物。


何を買うにも顔色をうかがうようになりました。


一度、子どもの靴を買っただけで言われたことがあります。


「無駄遣い多くない?」


……必要な物なのに。


■子どもの前でも始まった

そして、ある頃から。


夫は子どもの前でも、私を否定するようになりました。


「ママってほんと要領悪いよな」
「またミスしたの?」


子どもは困った顔で、私と夫を交互に見ていました。


その顔を見た瞬間、胸が締めつけられました。


この子に、こんな空気を見せたくない。


でも私は、何もできなかった。


■壊れていく感覚

少しずつ、自分が自分じゃなくなっていきました。


笑えない。

眠れない。

常に気が張っている。


なのに夫は言うんです。


「被害者ぶるのやめたら?」


その頃の私は、本気で思っていました。


“私が悪いんだ”って。


■ある日の出来事

忘れもしません。

子どもの誕生日の日でした。


私は朝から料理や飾り付けを頑張っていました。

子どもを喜ばせたくて、一生懸命準備したんです。


でも帰宅した夫は、部屋を見るなり言いました。


「センスないなぁ」


その瞬間。


頑張って張りつめていたものが、一気に崩れました。


私はトイレに駆け込んで、声を殺して泣きました。


その時です。


初めて、頭の中に浮かんだんです。


——離婚。


(第3話へ続きます)


■管理人より

モラハラが怖いのは、“日常に溶け込む”ことです。


暴力のように目に見えないからこそ、被害を受けている本人も気づきにくい。

そして気づいた頃には、心が大きく削られていることがあります。


特に、子どもの前での否定は深刻です。

家庭の空気は、想像以上に子どもへ伝わっていきます。


■体験談募集

モラハラ・夫婦関係の悩みに関する体験談を募集しています。

・外では優しい夫
・お金による支配
・子どもの前での否定


あなたの経験を聞かせてください。