去年から準備していながら、なかなか形にならないプロジェクト(←大げさだな、おい)の検証をするために、いろいろ調べていると何度も巡り会う言葉があるのです。それは

「ありのままに見る」
お釈迦様の教え八正道の第1「正見」ですね。

人間は脳の構造上物事をありのままに見ることが出来ないと言われています。目の錯覚による錯視もその一つ

 

普段から物事や出来事を経験から内容を類推、判断する事で処理のスピードと手順を省いています。例えば、「猫」という単語を聞くと自分の経験から種類などを含めた姿形のイメージ、手触り、体験から得た性質、行動などを思い浮かべます。好き嫌いなども含めて。

これが、すなわち「ありのままの猫を見ていない」ということですね。個々の人が持っている○○に対するイメージというのがフィルターとか、バイアスと呼ばれるものです。
眼の前に猫が居ても、次に猫がとる行動を推測したり、近くに小さい猫が居たら親子かな?などと想像します。ただ見るということはなかなかできません。
外見から人を判断する、というのもフィルターやバイアスの一つですね。フィルターやバイアスは往々にして好ましくない作用をします。区別しているだけなら良いのですが、無意識にそれが差別になっていることがあるからです。
 経験から物事を類推するというのは、日常生活では非常に役に立つと同時に致命傷にもなりえるのです。

肩が痛いけど、どうせいつも痛んだからと放っておいたところ、心臓に欠陥があった。いよいよ我慢できなくなって病院に行ったらかなり病状が進んでいた。のような場合は、自分に対するイメージにバイアスがかかってしまった例とも言えるでしょう。

人間の思考は一日に5万以上とも言われています。我ながら一々取りあっていたら埒が明かないし処理しきれないので、適当に流すんですね。
 本当は、人生の時間は限られているのですから重要かつ緊急の事態を優先しなければならない。けれども実際は、重要性は低いのに緊急のことや、重要性も緊急性も低いことばかりをしていることの方が多いのです。

これが、先日もお話したアクティブノンアクションの状態でもあります。
優先順位が間違っているんですね。こうなると、本当には「生きている」とは言えない。
 けれども、現実的には「とりあえずの収入源」である仕事とか、「怒らせると面倒な親」のニーズや「口うるさいママ友」のニーズを最優先に片づけて日々追われている。と。

そんな状態ですと、心の中はストレスや不満のおしゃべりだらけですから、本当に大事なことが5万の思考の中で埋もれてしまうんですね。それが続いていくと、ついには自分の感受性など自動的に無視するようになってしまうんです。

結果的に、それが、自分の肩の痛さを見逃すようなことにも繋がります。
緊急かつ重要だったのにね。

こんなふうに、身体に出るのは最終段階ですが、それまで数年から数十年は「自分の感受性を無視」する期間が続いているはずなんです。その段階が最も苦しいけれど、本人は何が苦しいのかがわからないんですよね。

「ありのままに見る」「あるがままに見る」というのは、心のおしゃべりをなくして目の前にあるものを味わうことです。猫なら猫。リンゴならリンゴ。子供なら子供のそのままの姿。
 前にこんなことしたから!
 そんなことしてると、ダメになっちゃうから!
そんな風に、自分自身が抱く過去と未来への不安から目の前のものを判断するのではなくて、リンゴを口に入れた時に「思ったより甘い」と感じたなら甘さを味わう。実は固いのか柔らかいのか?柔らかいから古いのね、という判断は置いておいて、甘さと柔らかさを味わう。それがどんなふうに歯に触って、喉を滑り落ちていくとどんな感覚が身体の中に広がるのか。

その状態が、いまここ、ワンネス(分離していない状態)、アウェアネス(覚醒している状態)、悟りなどとも呼ばれています。
 
「いまここ」「あるがままに見る」のがなぜ重要なのかって、わかりにくいけれど、不安や恐れや心配から物事を判断しなければ、心配して悩んでいる間の手間(エネルギー)が省けるし、心を平穏な状態に保つことができるからなんですよね。

心のおしゃべりが多いと、アファメーションも効きにくいようです。だって、一日50回アファメーションしても、不安や心配で1万回ほど否定・打消ししていたら効果は出ないですよね。

だから、心穏やかに過ごすためには心の中が心配や恐れのおしゃべりでいっぱいでない方が良いし、無いものよりも既に持っているものに注目した方が良いし、感受性は高いほうが良い。ということですよね。

こうしてみていくと、怒りの感情をコントロールするために
怒っちゃダメ、怒っちゃダメ
と自分に言い聞かせる手法を使うというのも、あまり効果がなさそうですね。

 アウェアネス ブレッシング

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