7月10日。

今年のこの日は、
私にとって少し特別な一日になりました。
館神龍彦さんの新刊
『コンテンツ手帳ガイド』が発売された日。

そして、
父の16回目の命日でもありました。



偶然という名の、必然。

発売日は当初、
もう少し早い予定だと伺っていました。
それが7月10日に決まった時、
「お父さんの命日だなぁ。」
すぐに思いました。
偶然にしては、できすぎている。
⁡とも、思いました。

そして、
少しだけ胸の奥が温かくなりました。
『父も喜んでくれていたらいいな』
『背中を押してくれてるのかな?』
とも、思いました。


手帳の原点は、あの頃のノートにあった。

今回の本の中には少しだけme moreが生まれた原点や私のコラムも書かせていただきました。
小学五年生の頃、父が難病を発症したこと。
誰にも言えない不安を、ノートへ書いていたこと。

あの頃の私にとって、
書くことは記録ではなく
そこにだけしか見せられない本音の居場所でした。
感情を誰かに打ち明けることもできなくて、
でも心の中に溜めておくことも苦しくて、
⁡書き出してみたノートだけが、
私の言葉を静かに受け止めてくれていました。

書くことは、
自分が壊れないための、
小さな居場所、わたしの心の在処でした。



「静かにやられた」という言葉。

先日、『ジブン手帳』を作られた
佐久間英彰さんが、
今回発売された館神さんの著書
noteに記事を書いてくださいました。





今回コンテンツ手帳ガイド: 令和の新しい手帳ガイドの中で紹介されている六冊の手帳を
佐久間さんがひとつひとつ紹介する中で、
私のme moreについて
こんなふうに書いてくださっていました。
「六冊のなかで、私がいちばん静かにやられた一冊。」
そして、
「あの数ページのために、この手帳は生まれたんだと思う。」

その文章を読んだ瞬間、
胸の奥にあった何かが、
ふっとほどける感覚が私の中を走りました。

誰かの言葉が、鍵になることがある。
言葉に敏感な私は、
常々そんな体験をさせてもらってきましたが、

今回の佐久間さんのお言葉は、
私が長い間、自分でも気づかずに閉めていた扉を、
そっと開いてくれた…

そんな感覚に包まれたのでした。

31年前の私が、今の私を救ってくれた。

私はずっと、
父が病気になったことも、
その時に子どもながらに抱えた不安も、
誰にも言えずに
『天真爛漫なマミ』のイメージで我慢してきたことも、
全部、自分の人生として受け止めてきました。

でもどこかで、
「あの経験には、どんな意味があったんだろう。」
そう思う気持ちもありました。
でも
佐久間さんの文章を拝読した時、
31年前、不安でいっぱいだったあの小さな私が、
今の私に力をくれているのだ。
そう、思えたんです。
父との時間も。
父の病気も。
ちょうど16年前、
父が荼毘に付したあの時、
あの火葬場で思ったことも。

全部が、この手帳につながっていた。
点と点が、一本の線になった瞬間でした。

経験を、美化したいわけではないけれど。

父が病気になってよかったなんて、
一度も思ったことはありません。
そんなことは、
これからも思わないと思います。

でも、
あの経験があったからこそ、
私は「書くこと」に出会えたし、

父が病気じゃない人生では、
味わうことができなかったものを
沢山、手に入れ今の私があります。

人生は、
痛みさえも無駄にしないでいてくれる。
そのことを、
この7月10日という日に、改めて感じました。

7月10日の前日は一人暮らしをする長女に会いに山口まで行きました。長女はとても楽しそうに暮らしてた。私は親としてそれがとっても幸せでした。父もきっと、今の私をみて幸せだと思います。


書いた言葉は、未来のあなたを助けてくれる。

もし今、
あの日の私のように、
誰にも言えない不安を抱えながら
毎日を過ごしている人がいるなら。

言葉にならなくてもいいし
うまく書けなくてもいいので、
⁡一行だけでも、
自分の気持ちを書いてみてください。
あの日の私が、
「お父さんが心配。」
と書いた一行が、25年後、
me moreという手帳になったように、

その言葉はあなたを
いつか強くさせてくれるものへと変わるでしょう。





書いた言葉は種のようなもので、
土の中で、静かに、確かに根を張って、
あなたが気づかない場所で育ち続けていきます。

そしてきっと、
未来のあなたが必要とする時に、
花を咲かせてくれるはずです。

ここから、またひとつずつ。

父と会えなくなって16年経っても、
父の顔も、声も、
全てを鮮明に思い出せます。

わたしが何を話しても
「そうか。」

わたしが何かを成し遂げても、
「よかったな。」

としか言わなかった寡黙な父でした。

褒め言葉も、励ましの言葉も、
ほとんど持ち合わせてなくて、
たまに怒るととびきり怖かったけど、

わたしへの愛はたっぷりあったと
今、わなしも親になりやっとわかります。


きっと今回の館神さんの本について
報告したとしても

「そうか、よかったな。」

と、ニヤリと笑って終わるのでしょう。

父が1番嬉しいことも、
私はよく知っています。

娘が、自分らしく生きていること。
娘が、誰かの役に少しでも立てていること。

それだけで十分だと
父は今頃、満足気にしていることでしょう。


父からもらったこの命を、
どう使うのかは、私次第です。

ここからまたひとつずつ、
書くことで誰かな心が軽くなるなら。
手帳を通して、誰かが自分をとりもどせるなら。

それが私ができる恩返しなのだと思っています。






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