蟹座と家族と、Coda あいのうた | ***Walk on the light side

***Walk on the light side

銀河に煌く星たちのように

占星術の12星座は、私たちが身体を通して感じる「12の体感覚」とひとつずつ結びついています。

 

そのうち、蟹座に対応するのが聴覚です。この聴覚というのは、死にゆくときに最後に閉じられる感覚だといわれています。

 

触覚から始まって、聴覚で終わるということ

 

私たちが最初に聴く音は、お母さんの心音であり、命の鼓動です。音は周波数を持っていて、それはさまざまな波形を作り出しますね。
 

私たちは他者と会話するとき、言葉の音色のなかにある「本音」を聴いています。言葉は丁寧だけど怒っているなとか、素っ気ない態度だけど本当はすごくやさしい人なんだなとか、そういうものを、私たちはキャッチすることができますよね。

 

それは聴覚を通して、私たちがキャッチしているものが、その人の発している本当の音……「本音」だからであり、本音は言葉になる前の素(もと)であり、素(す)の状態でもあるから、相手に伝わってしまうのだと思うのです。
 

蟹座の司る聴覚において、私たちはお互いの心の声を聴きます。そこには否定があったり、強制があったり、愛があったり、怒りがあったり、悲しみがあったりと、多様なものが含まれているでしょう。

 

そして、その多様な声が複雑に絡み合い、ときに同調し、ときに反発して、ぶつかったり、ホッとしたりをくり返すのが、蟹座の司る家族なんだな~と思います。

 

 

先日【Coda あいのうた】という映画を観ました。予告編を劇場で観たときに「あ、これ絶対に観たい!」と思ったんですね。
 

『CODA』とは『Children of Deaf Adults』の略で「耳の聴こえない親を持つ子供」を指します。聴こえない親がひとりでも、両方でもそう呼ぶらしいですが、この映画の主人公ルビーは両親と兄が聴こえない大人たちで、4人家族のなかで唯一の健聴者。

高校生の女の子ながら、早朝に起きて家業である漁業を父と兄と共に手伝いながら、唯一の「通訳者」として、家族から頼られる存在です。
 

あるとき、学校のクラブ活動で歌の才能を教師から見出され、ルビー自身も歌うことの喜びに目覚めていきますが、聴こえない家族たちはその才能を理解できないため、それをなかなか伝えることができません。

 

教師からは特別授業に抜擢されて、音楽大学に進むこともオファーされますが、家業がピンチに陥り、他の健聴者との唯一の架け橋であるルビーがあいだに入らなければ、交渉も新しいビジネスもうまく運びません。

 

自分自身の生き方と、家族の生きる道との葛藤に揺れ動き、時にぶつかり合い、時に愛を確かめ合いながら、進んでいく物語です。

 

 

 

ルビーの家にある葛藤は、多かれ少なかれ、どこの家族にもあるものではないかと思います。

 

それぞれの夢や思い、ままならない現実の厳しさ。家族はお互いに頼り合ったり、反目し合ったり、ときに思い通りにいかないことを相手のせいにしたりするでしょう。


しかし劇中でルビーのボーイフレンドが言うように、大抵の家族はその思いを正直に伝えることをあきらめて、ただ黙って従うか、口も聴かずに反目し合ったりします。

 

だけどルビーの家は違います。お互いが深く関わり合い、自分の思いの丈を表現し、相手を頼り、相手の気持ちを受け取ろうとするのです。

 

聴こえないけれど、どうにか理解しようと、言葉以外の表情や態度や動きのすべてで、伝え、受け取り、その本心に葛藤を感じ合います。

 

そのやさしい態度に、私たちが「言っても無駄」とあきらめてしまいやすい家族間のコミュニケーションの愛と情熱に、何度も涙がこぼれました。

 

決してあきらめない家族。あなたがいないとダメと甘えるお母さんも、おまえが家族の犠牲になる必要なんてないと怒るお兄ちゃんも、日頃は一番好き勝手にやっているようでいて、実は誰よりも娘のことを理解しているお父さんも、誰もがこれでもかとばかりに、本音でぶつかり合うコミュニケーションが本当に素晴らしいんです。

 

それに対して健聴者であるルビーのほうが、理解されないだろうからと、クラスメイトに家族をわかってもらうことをあきらめ、家族には音楽がしたいことがなかなか言えず、音楽の先生には家業が大変であることが言えず、たくさんの感情をいつも内側に溜めこんでいます。

 

「大人にならなきゃいけなかった女の子」とした描かれるルビーの姿に、状況は違えども、共感できる人は多いでしょう。

 

その語られない本音を、聴こえない家族たちがどう理解するのか……それが本当に素敵なので、ぜひ劇場でご覧ください!!

 

 

その帰り道にジェイ(旦那)と話していたら、最近、仕事のお手伝いをさせてもらっている『サイレント・ボイス』の代表もCODAなんだよ、とのこと。

 

彼が以前、神戸のTEDで話した動画があるよというので、観てみたら、またしても泣かされました…(笑)

 

 

 

 

聴こえないからこそ、理解することに情熱を傾けて、感情をぶつけ合い、紡がれていく愛の絆。

 

聴こえるのに、心と心のつながりを閉じていくのは、さみしいことなので、やっぱり本心からつながること、伝えることを大事にしたいなと思うのでした。

 

山羊座に金星・火星・冥王星が揃っている、いまの時期に、とてもおすすめです。