神話の中でウラヌス(天王星)は、次々と子どもを作るくせに、子どもに神界の統治権が渡ることを恐れて、妻のガイア(地球)に子を産まないように、子宮に押し戻し続けました。
その苦しさに耐えきれなくなったガイアは、どうにかしてウラヌスの子作りを止めようとし、それに手を貸したのが末子のクロノス(土星)です。
ガイアから受け取った鎌で、クロノスは父に襲いかかって、これ以上子作りができないように去勢しました。ウラヌスの性器が海に落ちると、それが白い泡となり、そこから愛と美の女神アプロディーテ(金星)が誕生したとされています。
イリュージョンのような神話ですが、この部分を読むと、アプロディーテは母を持たない、ウラヌスの娘と思えます。パラスがゼウスの娘であるように、ここにも「父の娘」という元型がありますね。
無慈悲な姦淫を果てしなく繰り返したウラヌスの性器から誕生したことを思うと、美しいアプロディーテはひたすら産み出し続ける性愛の女神であるのでしょう。
ちなみに金星と天王星だけが他の太陽系の惑星とは逆方向に自転していて、天王星の記号には金星の記号が含まれていることからも、このふたつの星が密接な関係にあることが窺えます。
天王星が無尽蔵に次々と産み出すものが、アイデアや新しいひらめきだとすると、金星が産み出すものはやはり、愛と美ですよね。
世界中で愛と美の創造が一瞬たりとも止まることがありません。
いま、この瞬間もアーティストたちは新しいアートの創造を続けていて、その時々で洗練された美を競い合い、頂点を極めた作品は時代を超えて残され、後世のアーティストたちにインスピレーションを与え続けます。
天王星は世代を超える長期記憶の保持と、そこにアクセスする能力を象徴しますが、私たちは金星を通して、残された建築物や彫刻や絵画や楽曲や詩などから、それらと通じ合うことができるのでしょう。
また、それらにインスパイアされて、最新のトレンドが絶えず生み出され続けます。ファッション、音楽、アート、メディア、マンガ、ゲームなどなどの流行のシーンにおいて、いつの時代も金星が世界に煌めきをもたらしています。
金星と天王星は通じ合うので、天王星が司る最新技術やインターネットメディアは金星と相性が良く、老若男女の誰もが面白い作品を次々とクリエイトしては、世界に生み出し続けています。
そして私たちはまた、いついかなるときも、どんな時代と状況のなかでも、誰かを愛することができます。
こんなときに、こんな状況で!?というときでも恋に落ちることのできる能力は、やはり金星が本質的に天王星の娘であることからきているのではないでしょうか。
天王星にタブーはありません。それゆえ、土星から「時と場合をわきまえろ」と去勢されてしまうわけですが、私たちの金星もタブーを恐れずに、恋してしまうことが止められず、本能や欲望のままに、独自の性愛を表現する能力を持っているのでしょう。
金星の象徴する美の創造も、愛の表現も、私たちにとって生きる喜びです。触れて、体感して、分かち合うことのできる愛。人生の豊かさの源泉でもありますね。
誰かを愛して、愛される喜びと、心地よく美しい毎日と空間を無尽蔵に創造することのできる能力が、誰のなかにも備わっているのだと思います。
天王星が金星の司る牡牛座に滞在する、2018年から2025年のあいだは、私たちの内なる金星の力が、より強固に目覚め、進化するときかもしれません。

