
統合失調症が発病しているが薬物治療不要の病態がほぼないこと
代表的な内因性精神病である統合失調症は、患者さんにより病状の重さはかなり差がある。それでもここ30年ほどの疾患の軽症化や薬物治療の進歩により、生涯、入院治療が必要と思える患者さんは激減している。
上の2017年の記事では統合失調症の軽症化について触れている。この最初の部分で、以下のように記載している。
過去ログで統合失調症は次第に軽症化している話に触れている。しかしながら、30年くらい前の精神病院の様子を知らない若い世代の精神科医は、果たして軽症化しているのかよくわからないのではないかと思う。
統合失調症の症状には軽症化している面と、複雑化している面があるので、このような議論になるのだと思う。また、わかりやすい緊張型の病型の減少も影響している。緊張型はおそらく大昔は今よりずっ多かったであろうし、現在でも未開の地域、例えばアマゾン川の奥地やアフリカなどでは、日本よりずっと多いのではないかと想像している。
実際、ここ数年以内でも東南アジアの人の緊張病症候群の治療をした経験がある。
その患者さんが重症化するかどうかは、疾患そのものの要因、つまり病型や遺伝的要因だけでなく、家族の治療協力なども影響する。つまり、その患者さんから見ると、かなり運の要素もあると思う。
統合失調症に限らないが、精神疾患の患者さんを治療する際には、自然とその家族と接する機会が増える。
余談だが、あるまだ若い女性患者さんが統合失調症に罹患し入院治療までしていたのに、彼女の兄が精神科以外の医師にもかかわらず、一度も挨拶に来ることはなかった。10年以上この有様なので、今後も来院することはないと思う。こういう家族は心から疾患を受け入れていないのか、ある種の家族間の断絶があるのか不明である。
統合失調症の家族と接する際に、全く無治療で、一見、健康に生活している統合失調症であることがまずないのは特筆すべきことだと思う。
タイトルに挙げているが、「統合失調症が発病しているが薬物治療不要の病態がほぼない」のである。
つまり真の統合失調症は、そういう精神疾患なのだろう。
参考