
自分が思っていることを幻聴に言われて苦しい
これは診察中に出てきた、ある女性患者さんの言葉。
この患者さんは統合失調症の診断は付いているが、この言葉から、彼女が真に統合失調なのか疑わしい。これはこの言葉だけでなく、その時の患者さんの表情など総合的なものも考慮している。(そもそも一見して顔が統合失調症ではない)
この所見は、シュナイダーの1級症状に挙げられている。
上記の記事から抜粋。
クルト・シュナイダーの定義した1級症状。
1.思考化声
2.批判的幻聴
3.ダイアログ(複数人の対話)形式の幻聴
4.身体への悪意ある行為や影響
5.思考伝播
6.思考奪取
7.作為体験
8.関連妄想・妄想知覚
この中の1番目に記載されている。このようなことから、医師国家試験の臨床問題では、この所見は統合失調症の思考化声を選択すると正解になる。
臨床的には彼女は統合失調症ではなかった。彼女は有害化学物質による精神症状だったのである。
ヒントは、この言葉はあまりにも自我違和的であること。
普通、統合失調症の人は、この症状に完全に取り込まれているので、「自分が思っていることを幻聴に言われて苦しい」なんて言わない。
つまり100%とは言わないが、この言葉こそ、彼女が真の統合失調症ではないことを示唆している。