
IQ130でもSNS広告詐欺に騙されてしまう謎
SNSとは、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)のことであるが、近年、SNSを使った詐欺被害が日本国内だけでもかなりの件数になっている。
最近話題になったものとしては、有名人を騙った詐欺である。つまり有名人になりすまし、大金を奪う犯罪。例えば、池上さん、森本さん、ホリエモンなどになりすましていたが、うっかり信用してしまう方も反省すべき点があると思う。
ホリエモンが自分のなりすまし詐欺に言及しYouTubeで強い口調で言っていたが、
自分の電話番号を知らない奴に教えるわけないだろう!
と語っていた。全くその通りだと思う。このタイプの詐欺には、話の流れに違和感というか、「これはおかしいのでは?」と気付くチャンスが必ずある。
このような詐欺的事案は、お金を振り込む前に、「自らの個人情報を晒してまで、儲け話を教えてくれる人などいない」と奇妙さに気付くのが、健康な感覚であろう。
投資にはたいていロットの大きさに制約があり、参加者が多くなればなるほど儲けにくくなるのが普通である。主たる投資家は、同じような投資行動をする人たちは邪魔になることの方が遥かに多い。
ということは、他人に手法を教えることは自らの首を絞めるようなものだ。他人に教えず、自分だけ儲ける方が易しいし、儲けも大きくなるようになっているのである。
このような前提を仮に知らないとしても、相手がどのように意図しているのか、正しく察することができないことが落とし穴になっていることが多い。
つまり相手(詐欺師)意図が読めていないことが大きなポイントで、知能よりもその辺りの読みの甘さが詐欺に引っかかる原因になっている。
自分の患者さんの中で、IQが130もあるのに、このタイプの詐欺に頻繁に引っかかる人がいる。しばしばネット上にある宣伝を鵜呑みにする。それは投資手法を教えるとか、FXなどの商材が多い。このタイプの商材は、始末が悪いことに、詐欺では?と警察に届けても厳密には詐欺の要件を満たしておらず、相手にされないことも多い。
浅田次郎氏が私小説的に書いていたが、詐欺にならない詐欺に近い方法を見つける天才的な友人がおり、例えば男性を派遣するデリヘルを思いついた。これは男性の登録料が5万円かかるが、実際に男性を派遣する紹介のパンフレットを地域に配るんだそうだ。そうすると、実態があることになり、ほぼ詐欺にならないと言う。実際には稼働していないが、事業が失敗したことになるらしい。
5万円支払った被害者は、額も少額だし、警察に恥ずかしくて相談もしにくと言う事態になる。もし警察署に相談にいったら、警察官から説教されるまでありうる話だと思う。この事案は、5万円という安価な設定が詐欺がうまく行くポイントだと思う。ここでも儲けようとするロットが重要なのがわかる。
これらの詐欺的案件に騙されてしまう人たちは、「相手の真の意図が十分には読めない」ことが大きく影響しているが、これは「こころの理論」と関係が深い。
そのIQ130の人は主病名はASDではないが、軽いASDなのである。あまりにもAmazonやその他の買い物サイトの個人情報が漏れる事態が多いので、僕は全ての買い物サイトに2段階認証を設定するように勧めた。また、そのやり方も教えた。
スマホのSIMスワップなども、それまでに自分の個人情報をうっかり詐欺サイトに記載してしまったことが発端になっている。何も個人情報がないと、詐欺師も大手キャリアに再発行の申請すらできない。詐欺サイトにうっかり名前や生年月日、アカウント名やパスワードを書いてしまうことは、今の時代、相当にガードが緩いと言わざるを得ない。(最近は本人に過失がなくても大手サイトから個人情報がハッキングされる事案も発生している)。
注意して欲しいのは、こころの理論の障害イコール発達障害ではないこと。厳密には必要十分条件にはなってない。
このタイプの被害者は、相手の意図が読めないため、何度も同じ過ちを犯すこともある。それは、「詐欺の救済をしてくれる詐欺」に再び引っかかってしまうなどの重複被害などである。
比較的若い人が、あたかも高齢者のように詐欺に騙されるのは、本来人間にあるべき機能が弱いことを狙われているのである。
参考