うつ状態でアナフラニールの点滴にやってくる患者さん | kyupinの日記 気が向けば更新

うつ状態でアナフラニールの点滴にやってくる患者さん

ある年配の女性患者さんはサインバルタとトリンテリックスを併用し、見かけ上、健康の人と変わらないエネルギーで仕事をしている。

 

しかしカルテを調べると、数年単位の間隔で仕事に行けないほどのうつ状態を呈し、アナフラニール点滴を希望し来院するようになる。

 

一応、サインバルタとトリンテリックスはそれぞれ最高量を処方しており、これらの増量や抗うつ剤を追加する選択肢はない。この2剤は彼女にフィットしており、長い期間治療してきた結果の最良のペアなのである。

 

不思議な点は彼女の改善の仕方である。彼女はうつになると、ふらふらとした感じで再診しアナフラニールの点滴を受けるが、用量は半アンプルほどである。12.5㎎程度。

 

しかし点滴した直後、少し実感が良くなり体が動かせるようになると言う。なんと点滴した日の午後には職場に行けるらしいのである。基本的にかなりエネルギーがある患者さんだと思う。

 

アナフラニールの点滴は実施した日にすぐに良くなると言う人が比較的多いが、改善の程度はさまざまである。不安感がずっと減ったとか、特に不安感に良いと言う患者さんもいる。流石にこれほど急激にスイッチが入ったように動ける人は稀である。

 

そうして2~3日に一度くらいのペースで点滴に来院する。そのうち、来院の間隔が広がりあまり来なくなる。その間、内服の処方箋は1ヵ月処方で全く変えていない。

 

精神科の外来での抗うつ剤投与数は基本上限2剤までだが、点滴の抗うつ剤は1剤として加算されない。(同様に抗精神病薬の持続性抗精神病薬も加算されない)。

 

従って、外来のアナフラニールの点滴は診療報酬的には問題がない。

 

毎回、1ヵ月くらいで改善しほとんど問題がなくなる。彼女の悪化は令和になって2回目なので、周期性と言うには長すぎる間隔である。

 

この回復のあり方も謎が多い。彼女はサインバルタとトリンテリックス以外に気分安定化薬を使っていない。しかしレキサルティは0.5㎎だけ併用している。

 

彼女の処方は最新というか、現代の抗うつ剤治療の最前線といえる処方だと思う。

 

しかし、この処方のブレが起こった時に、大昔からあるアナフラニールで補正できる点が非常に興味深いと思う。