ノリトレンとエビリファイ | kyupinの日記 気が向けば更新

ノリトレンとエビリファイ

芸術家肌の人でまあまあ重い患者さんを治療していた。彼はしばらく他県に転居していたので、僕の治療から離れていた(その人は芸術家そのものではない)。最近、何年ぶりかで帰ってきたのであるが、けっこう重いうつ状態で、アモキサンでは到底片付かなかった。他の薬物だが、アンプリットは力不足で話にならない。アナフラニールは、ほとんど無効。トリプタノールは副作用の眠さが酷いので続かない。こんな風だったのである。

結局、ノリトレンを少しずつ増量してみた。150mgまで処方してもあまり持ち上がらないので、これはかなり難しいのではないかと思った。何も使わない状態よりたいして改善しないからである。診断は内因性のうつ病で間違いない。だから、良くならないはずがない。なんらかの薬物で良くなりそうなオーラみたいなものが出ているのである。

ECTも少し考えたが、この患者さんの場合、どうみても薬でなんとかなりそうだった。これは感覚的なものなんだけど。次に試みたのはエビリファイ1.5mg。最近よく使う方法。そのままノリトレン150mgに上乗せした。

結果だが、あっさり完全復活。うつ症状を感じないほどまで回復したと言う。何かこういう良くなり方を見ると、エビリファイはあたかもトリガーを引くように見える。

なぜ、ここまで変わるの?と言ったところ。彼が言っていたのであるが、夜になると意欲が出て、なにか発想が湧く感じで職場に行くと言う。しかし、その場に行くと、なんとなく安心してしまい眠くなって部屋に戻り寝てしまうらしい。

この行動、なんとなく、エビリファイの強迫っぽく感じられなくもないんだけど、他の症状が全然ないので、たぶん強迫とは言わないのだと思う。これはエビリファイの賦活のような気がしている。その後もそれほど落ちてこないし、副作用もないので、エビリファイが合う人なのだろうと思う。

ところで、この患者さんは色が白くて肌も粗くはないよ。どうも、色が黒い白いとか、肌の見方が一人歩きしているけど、これは統合失調症に限った傾向だから。

「統合失調症で色の白い人はエビリファイが失敗しやすい」

うちの病院で、統合失調症でない人で特に躁うつ病圏やうつ病圏の人で色が白くてフィットしている人はたくさんいるよ。分裂感情障害で出てきた女性患者さんもモデルさんのように色が白い。エビリファイの場合、うつ病圏の人に合うかどうかは、病状を悪化することではなく、副作用の多寡に限られている。合うかどうかは肌の色はあまり関係ないように見える。

参考
エビリファイが合う人、合わない人