リスパダールからジプレキサへ変更 | kyupinの日記 気が向けば更新

リスパダールからジプレキサへ変更

これは「そんな無責任な・・」の続きになる。ここに再掲。

この患者さんだけど、ジプレキサは劇的に効いたのである。結果論ではあるが。今回診察した時、以前のような不機嫌さやひねくれ症がすっかり消失していた。ジプレキサ2.5mgしては変わり過ぎていると思えるほど。今はリスパダールは半量にしてジプレキサを増やし薬物の入れ替えを進めている。たぶん、彼女はとりあえずジプレキサの10mg程度でけっこう落ち着くと思うよ。

僕が変更する前の処方が以下のものである。メインはリスパダールであるが、リーマスとセレネースが併用されていた。この中で、セレネースの処方がやや意味がわからないところで、たぶん、少し状態が悪かった時に併用されてそのままなのだと思った。

リーマス(200)    3T
セレネース(1.5)  3T
リスパダール    6mg
ヒベルナ      20mg

(コントミン換算値 825mg)
上の処方以外は眠剤(アモバン)と便秘薬(プルゼニド)のみである。

最初診たときの様子はこんな風であった。

話はぶっきらぼうで、いつも言葉尻を捉えるような感じだった。薬を変えたいが、それもちょっと不信感で見られるのではないかと思われるほどなのである。

僕は彼女の調子の悪さはアカシジアなどの副作用もかなりあると思った。こういう時、普通は少し薬を減らすべきであるが、もし減らせない場合でも、もう少し抗パーキンソン薬を併用するか、あるいはベンゾジアゼピンを併用すべきだ。そういう処置をしていればもう少し本人の苦痛は減っていたのではないかと思う。

結局、以前に書いたようにセレネースを中止しジプレキサを2.5mgだけ追加した。置き換えや減量で対応し、抗パーキンソン薬は追加しない方針であった。

リーマス(200)    3T
リスパダール    6mg
ヒベルナ      20mg
ジプレキサ     2.5mg

(コントミン換算値 700mg)

2週後に非常に状態が良かったので、リスパダールを漸減中止することにした。ジプレキサは5mgまで増やし、リスパダールを4mgまで減量した。

リーマス(200)    3T
リスパダール    4mg
ヒベルナ      20mg
ジプレキサ     5mg

(コントミン換算値 600mg)

しかし、この処方だと過食の問題が生じたのである。常に空腹感があり食欲が出すぎて相当にまずい状態であった。そこで、ジプレキサを増量することは止め、リスパダールを4mgにしたまま、ジプレキサを2.5mgまで減量、撤退した。

リーマス(200)   3T
リスパダール   4mg
ヒベルナ     20mg
ジプレキサ    2.5mg

(コントミン換算値 500mg)

イーライ・リリーは、ジプレキサの体重増加は用量に依存しないと言っているが、これはたぶん統計的なものだと思う。やはり量を減らして変化があるかどうかは人による。たまに1mgでも過食が出る人もいて、そういう人はジプレキサが向かない。

この患者さんの場合、ジプレキサ2.5mgで過食の問題は解消した。2.5mgでも使っただけの効果が出ており、先日再診した時は、わざわざ母親まで来院され感謝された。ジプレキサ2.5mgだけだと、リスパダールは完全に中止することが難しいような気がするが、それでも1~2mgで十分な気がしている。彼女はそう薬に強くないから。

今回会った時に、体が軽くなったという実感があるようで本人も喜んでいた。処方変更しても実感が乏しい人もいるので、少しでもわかってもらえるならなお嬉しい。何が最も良くなったかと言うと、朗らかになったことである。会話も口調に棘がなくなり、声もいくらか小さくなった。話し方が優しくなり、女性らしくなっているのである。日本風に言えば、大和撫子が蘇った感じだろう。ジプレキサを女性に使ってフィットした時、声が小さくなるというケースに時々遭遇する。これはまさに陰性症状の改善だと思っている。リスパダールがやや弱い効果と言える。

この処方でリーマスは微妙。一時、興奮状態が酷く非定型精神病の診断がついていた時期もあるようなので、今はそのまま使っている。ひょっとしたら必要ないのかもしれないが、今はリスパダールの量をいじっていることもありワケがわからなくなるので放置している。

目標は、
ジプレキサ   2.5mg
リスパダール  1mg

(コントミン換算値 200mg)

であるがさほど難しくはないような気がしている。焦りすぎて自滅するのも嫌なのでしばらくは変更しない。その日も迷った末、リスパダール4mgはそのままとした。