【コメント】
けぽこさん、いつも楽しく読んでいます。とても初歩的な質問なんですが、デジタルシングルを出す意味、理由を知りたいです。 人気のないアーティストが出すイメージを持っていました。ずっと。
そうですね~「アイドル」と「非アイドル」の歌手とでは、また「デジタル」への捉え方も違って来るとは思うんですが・・・まず、かかる手間や費用、人件費が全然違いますよね。
デジタルは、極端に言えばスタジオを持っているアーティストなら、自宅でちょこちょこっと制作して、数日中にはリリースするこができます。「スピード感」は圧倒的にデジタルです。
J-POPは元々、CD(音盤)としても「シングル」活動がメインなので、フットワークも軽く、シングルの先にアルバム発売があるわけですが、K-POPは「カムバック(アルバムを発売し、その中のタイトル曲で活動する)」というシステムなことで、何かと「いざ、新作だ!」となれば、準備や費用が大掛かりになってしまいます。リリースがそう簡単に、頻繁に、できないのです。だから「デジタルシングル」というスタイルを導入することで、空白期間を埋められたり、または、世論の動向(本カムバックとは違う路線の曲を披露して評価を見たり)など、様々な試みができます。
CDアルバムともなれば、レコーディングは複数曲必要ですし、ジャケット制作費、撮影スタッフ人件費、撮影機材、工場での印刷工程、全国&世界への物流時間、などなど、のコストが必要ですが、時間も費用も節約できます。特にアルバムに封入される、ランダムカード(写真)、ミニ写真集、ファンサイン会の参加権、など、アイドルなら売れる要素の「特典」が、あまり売り上げ効果に繋がらなそうな歌手の方にとっては、デジタルで出した方がコストカットになるでしょうね。
なので、OSTなどはこのスピード感(ドラマの放送タイミングに合わせて公開)重視しています。ショップに買いに行く必要もなく、テレビで聴いて「この曲いいな♪ちゃんと聴いてみたいな」で、そのまま配信サイトへGO!ドラマの余韻を残したまま、すぐに聴くことができますから、デジタルのメリットは絶大です。
また、最近なら「デジタル先行」といって、本リリース前にデジタル曲を公開する人も増えています、これは宣伝効果があると思っていて
もうすぐカムバックしますよ!
と、期待感を煽る意味。
K-POPは「秘密主義(リリース当日までどんな曲か?すらも明かされない)」ですから、そもそも、大々的な宣伝ができないんですよ(^_^;)J-POPなら、発売前から、ガンガン予告CMが流れたり、YouTubeではMVのショート版まで見れたり、日本は発売前に音楽番組で披露するのも普通なので、日本は先手、先手で宣伝していきますよね?
しかし、K-POPはそれ(事前の宣伝活動)ができないので、発売日を知っているのは、ファンぐらいと言えます(^_^;)一般リスナーは、カムバックしたことすら知らない、というのがほとんどですから、その点、デジタルは手間も時間も省けるため、カムバック予告の切り込み隊長としては、最適なのです。
先行デジタル曲がチャートを上昇することで話題にもなるし(人気歌手だと、この曲がランキングに残った状態で、本カムバック日を迎えるケースも)、本カムバック日への期待感がより高まります。
アルバムは単価も高く、収益としては抜群ですが、その分、制作に手間もお金もかかりますし、特に海外市場をターゲットにしているK-POPは、海外ファンの手元に届けるまでに、そうとうな時間がかかってしまいます。それに、そのアーティストに興味のない人にとっては「CD」という物体が届くこと自体「場所とるし、邪魔だな~」と思われるかもしれません。
その点、デジタルなら、配信先さえ決まれば、オンラインで海を越えて、ファンに真っ先に届けられますし、また、熱心なファンではない「CDを買ってまで聴く気はない」人でも、今はサブスクなど、かなり手軽に配信で音楽を聴ける時代なので
誰にでも、気軽に、聴いてもらいやすい
というメリットがあります。
まずは「聴いてもらうこと」「知ってもらうこと」を優先に考えた場合、デジタル曲の方が宣伝効果はあります。
そして、「デジタルシングル限定」にするメリットは、アルバム購入派のファンも、デジタルでしか聴けないですからね(^_^;)、必然的に、熱心なファン&一般リスナー、の両方が同時に音源の再生回数を上げてくれることになるため、よりパワーも増し、ランキングを上昇する、という成功例もあります。
また、最近はカムバックでも、デジタル版を先に出して(ランキングを上げておく)、CD版の発売日を数日ズラして、時間差でリリースする歌手もいます。
これは、韓国の音楽業界、および、世論?が、音源重視だからでしょうね。
アルバムはファンが買うもの(写真集・サイン会などの特典重視)
音源は世論の動向を見るもの(流行がわかる)
という(音源上位=ヒット曲)概念があるからではないでしょうか。
また、音楽番組でも、音盤より、音源配点数を高めに設定しているため、すんごくアルバムが売れてても、デジタル成績の良いアーティストが優位になってしまうケースもありますし、デジタル成績が悪い(100位圏外)なのに、1位になると
大衆性がない(世間は知らないぞ)
と、皮肉や批判を言われることも韓国では多いです。音盤はランキング変化が激しいですが、音源はヒットすると、上位に長く居座りますし、色んな人が聴きやすい、という意味で、有線やラジオに近い印象ですね。
といった、感じでしょうか。
アルバムは価格も高いですからね、ファンじゃない人はなかなか買ってくれないので、「ファンになってもらうために」、まずは、デジタル曲から広報したり、知ってもらう、という戦略はありだと思います。