「待つ」ことの意味 | 心屋仁之助オフィシャルブログ「心が風に、なる」Powered by Ameba

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見えないけれど、やさしく包んでくれる。
風のように、水のように、普通の幸せに気づける、
そんなお話をお届けしようと思います。

⚫︎このブログは、2021年4月より、

心屋仁之助に代わり

オフィシャル認定講師によってお届けしています

 

 

 

心屋入門認定講師の

ゆみっち、こと林由美です。

 

 

今日は

ある青年のお話です。

 

 

その青年は、20歳代前半。

 

 

親との強烈な確執もあって

家を出て、超貧乏な一人暮らしをしています。

 

 

実家は、かなり裕福なのですが

その裕福さにも、青年はすごく批判的です。

 

 

「お金があったところで、人は幸せにはなれない。

 

いっそ、お金がない方が

人は、幸せのタネを見つけられる。

 

お金こそが、人をダメにするんだ!

 

お金で、子どもを育てようとするから

僕みたいなダメな人間ができるんだ!

 

親のお金のせいで

親も、僕も、家族のみんなが

こんなにダメになってしまったんだ!」

 

 

青年は、

お金も親も、そして世間も、社会も、

全てが敵のように見えて

 

 

きちんと就職するわけでもなく

(組織も嫌い、お金も嫌い)

 

 

自分ひとりなら

食べれるだけのお金でいいさ、と

細々と、アルバイトで食い繋ぎ

 

 

その代わりに

ありとあらゆる、ボランティア活動に精を出しています。

 

 

車椅子の人たちと

一緒に出かけるボランティアをしながら、

車椅子でも行けるお店のマップ作りをしたり

 

 

病院、施設ではなく

自宅で暮らして自律を目指したい

筋ジストロフィー患者の人と

 

 

その自宅で一緒に暮らしながら

身の回りの世話をしたり

 

 

同じ志を持つ人たちとサークルを作って、

様々なボランティア活動を広めたり

 

 

その青年は

いろんなハンディキャップのある人に関わることで

ようやく、自分が生きることを許可できるような

そんな生き方を、していました。

 

 

 

 

 

 

 

ある日、

その青年は、やはりボランティア活動の一環として

とある老人ホームを訪れました。

 

 

カメラが趣味だった、その青年は

その老人ホームの庭で、持参した自分のカメラで

いろんな写真を撮っていると

 

 

そのホームの入居者である

ひとりのご婦人が声をかけてきました。

 

 

「カメラがお好きなの?」

 

 

 

 

 

 

その青年は、ご婦人に話しかけられるまま

いろんなことを話したそうです。

 

 

趣味のカメラの話

今、どんな仕事をしているか

なぜ、こんなボランティアをしているのか

 

 

そして、実家の家族のことも。

 

 

普段は、そんな話など

あまり周囲には話してこなかった青年なのに

 

 

なぜか、そのご婦人には

知らぬ間に、いろんなことを話してしまってて

 

 

気づくと

自分の親のこと、とりわけ、父親のことを

 

 

すごく批判的に

すごく露悪的に

 

 

次から次へと、並べ立てるようにして

青年は、父親への恨み言ばかりを、話し続けてました。

 

 

それは、自分でも、

「僕は、ここまで父親のことを憎んでたのか」と思うほど、でした。

 

 

そして、

 

 

それまで、

静かに、ただ「うんうん」と

聞いてくれていた、ご婦人が突然に、

 

 

「ところで、お父様は、今、何歳?」と

聞いてきたので

 

 

青年が

「50代半ばだと思います。」と答えると

 

 

「あら〜、そうなのね。

まだまだ若いわね。

 

ねえ?

あなた

 

お父様のこと、もう少し待ってあげてくれる?」

 

 

そのご婦人は

青年に向かって、そう言ったそうなのです。

 

 

 

 

 

 

 

あなたも、大変な思いをしてきたのね

そして、たくさん傷ついてきたんでしょうね。

 

それは、辛かったわよね。

 

だけどね

お父様も、まだまだ未熟なのよ。

 

父親としても、人としても

まだまだ、わかる年頃じゃないの。

 

まだ、成長途中、なのよ。

 

60歳になったら、

ううん、70歳になったら

 

もう少し、わかってくるから。

 

今よりも、ちょっと成長できるから。

 

もう少し待ってあげたら

あなたが今言ってること

 

あなたの苦しみ

あなたの悲しみ

 

そんなことも、

きっと、わかる年齢になるから

 

お父様のこと、もう少し待ってあげてくれる?

 

 

 

 

 

 

 

 

その青年は

そのまま、年齢を重ね

 

 

今は、その青年自身が

ご婦人が、あの時に言った「少しわかるようになる年齢」になりました。

 

 

あれほど批判的に言ってた父親も、

10年以上も前に亡くなり

お金の亡者になってしまった母親も、

一年前に亡くなりました。

 

 

「自分には家族というものはない」

「家族なんていらない」

「親に愛された記憶も、育てられた覚えも、ない」

 

 

そう言い切っていた、その青年も

年を重ねた今、

 

 

当時の父親の未熟さも、

当時の母親の未熟さも、わかるようになり

 

 

その未熟さゆえに

お互いに傷つけあったことも理解できるようになりました。

 

 

そして何より

 

実は

自分自身が、本当に未熟者だったんだ、と

最近、思い知るようになりました。

 

 

それなのに

あの当時の自分は

 

 

偉そうに正論を振りかざして

立派なことをやってる気分になって

 

 

それを

あの時、たまたま

老人ホームで出会ったご婦人(おそらく90歳近くであろう)に

 

 

いい気になって、たくさん話して

わかってもらったような気持ちになって

 

 

なんとまあ、恥ずかしい、と

あれが、若気の至りなんだろうな、と

 

 

かつての青年は、(今は老人)

ふっと苦笑いしたのです。

 

 

そして

あのとき、ご婦人が言った

 

 

「あら〜、そうなのね。

まだまだ若いわね。

 

ねえ?

あなた

 

お父様のこと、もう少し待ってあげてくれる?」

 

 

 

待つ、のは

お父様の成長、だけではなく

 

 

自分自身の(青年自身の)成長をも、

「待ってあげてね」と、

ご婦人は、言ってたのだろう、と

 

 

ようやく、そう理解できたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

「待つ」

 

って

大事だな、と、つくづく思います。

 

 

しんどいとき

苦しいとき

どうにかしたくて、たまらないとき

 

 

そんなときほど

待てなくなるのですが

 

 

そんなときほど「待つ」

 

 

心が不調なとき

人間関係が壊れそうなとき

体が動けそうにないとき

何もかもうまくいかないとき

 

 

そんなときほど、「待つ」

 

 

・季節が変わるのを待つ

・年齢を重ねるのを待つ

・敵が年老いていくのを待つ

・時間の経過を待つ

・学校を卒業するのを待つ

・嫌な上司が退職するのを待つ

 

 

もしかしたら、敵が死ぬのを待つ、のも

いいかもしれません。

 

 

先ほどの青年の話でもありましたが

「待つ」効用として、

 

 

周囲の変化

状況の変化

相手の変化、も確かにあるのですが

 

 

何より、自分自身の変化、が

「待つ」効力として、一番大きいのです。

 

 

待つことで

相手に、経験値が増えていくように

 

 

待つことで

自分にも、経験値が増えていき

 

 

その結果

わかることが(見えてくることが)ある。

 

 

先ほどの、ご婦人の言葉は

 

 

父親を待ってあげるつもりで

実は、待ってあげるのは

成長し続ける自分自身なのよ。

 

 

そんなメッセージだったのではないか、と

私も思うのです。

 

 

 

 

 

ちなみに、この青年の話

実話です。

 

 

何を隠そう

私の旦那さんの遠い昔の話です。

 

 

そんな昔の時代に

そんな素敵なご婦人がいたことが、私には驚きでした。

 

 

私も、そんなご婦人に

なりたい。

 

 

若気の至りの青年に

「あなたはそのままでいいのよ。

お父様の成長を待ってあげてね」

 

 

そんな、遠回しのメッセージを言えて

そして、相手が自然に理解できるタイミングを待ってあげられる

 

 

そんな、老人になりたいのです。

 

 

▼今回の記事担当は、ゆみっち、こと林由美でした。

ブログ:https://ameblo.mom/yumi221379/entrylist.html

 

 

 

 

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