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今回の記事で使われる「物語」という言葉に、多くの人が初めて出合っていると思います。
ここでは人が後付けした意味全般を、「物語」と呼ぶことにします。
例えば、「親や子を大切に思い、愛情を感じる」というのは、内から湧き上がる自然発生的な感覚と感情です。これは物語ではありません。
その家族への自然な思いを超えて「○○家を守り、存続させることが使命」になると、「物語」になります。家制度は人が作ったもので、それを重要に思う根源的な欲求は存在しないからです。
精神文化というものは、根源的な欲求を基本にして、「物語」が付け加えられて構成されるものです。
ここは非常に役立つ認識で、覚えておくと応用が利きます。
根源的な欲求 + 物語 = 精神文化
です。
「年上を目上として扱いましょう」っていうのも、そうですよね。「男は度胸、女は愛嬌」とか、例を挙げればキリがありません。
大量の物語に囲まれながら、僕たちは生活しています。
そして自分自身も、多くの物語を持っています。
ただ物語には、普遍性がないんです。
だから状況が変わると、通用していた物語が不適合を起こします。
慣れ親しんだ土地に愛着を持つのは当然です。しかし「先祖代々のこの土地を守っていく。外に出るなんて有り得ない」となったら、もはや完全に物語です。
子どもが東京や海外に出るのを猛反対したり、何かの事情で住むのに適さなくなっても出ていけなかったり、物語によって心と行動を縛られます。
物語に、そんなに大層な地位を与えるものではありません。
改めて、物語とは何でしょうか? 機能という側面から本質をお伝えします。
<気持ちよく生きていくための道具>
これが物語の正体なんです。
道具に支配されてしまえば、かえって心を弱くして当然です。
僕も以前、9年間、交際した女性にフラれてしまった経験があります。それまでの僕は、彼女の存在を中心にして生きてきました。
ところが彼女は去り、僕の幸福にはまったく役立たずな物語だけが残りました。その彼女を中心人物にした物語は、もう成立しないのです。
もしも僕がその物語の中に居続けたら、ただただ辛い人生にしかなりません。
今、こうして元気に生きているのは、物語から抜け出たからなんですよね。
皆さんも、数々の不適合を起こした物語を捨て続けて、今に来ています。考えてみると、思い当たりませんか?
もしもあなたが、心に何か苦しみを抱えているとします。
それが根源的な人の苦しみなのか、物語の不適合によるものなのか、分けてみてください。
もう一度、言います。
物語とは、気持ちよく生きていくための道具です。
役に立たないなら、捨てれば良いだけの話なんです。シンプルに行きましょう。生きましょう。
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