あれから、15年。

神様のお導きだったのかもしれません。
あの日、仕事が終わり、なぜか実家に向かっていました。

そして、14時46分。
経験したことのない大きな揺れ。

片側には母と叔母。
もう片側には甥っ子たち。
小さな手をぎゅっと握りながら、公園へ避難しました。

あの揺れの恐怖は、今でもはっきり覚えています。

震源地は宮城。
慌てて親戚に連絡を取ろうとしても、繋がらない電話。
余震への恐怖。
テレビから流れてくる、信じられない映像。
あの頃は、眠れない日が続きました。

日が経つにつれて、亡くなった方のことがわかり…。
事の深刻さが胸に重くのしかかってきた日々。
自分の無力さを感じていた、あの頃。



そんな時、GACKTさんが震災ボランティア活動を始めました。
ファンだった私は、「何か自分にも出来ることを」と思い切って参加しました。

そして、そこに参加していたのが夫でした。

テレビで見ていた印象とは違う、本気の活動。
正直、驚いたことを覚えています。

それから月日が流れ…。
ご縁があって、直接お礼を伝えることができた日。
それが、私たちの出逢いでした。

本当に、不思議なものです。

ある時、夫にこんなことを聞いたことがあります。

「良いことをしても、偽善だとか売名だとか言われるのは、悔しくないですか?」と。

夫はこう言いました。

「俺もGACKTも、いろいろ言われて叩かれるけどさ。それでも、やらない奴よりは胸を張っていられる。何より、人として瞬間的に助けなきゃって思うでしょ?それが、ただ芸能人だっただけだよ。」

その言葉を聞いた時、思いました。
あぁ、素敵だなぁ…と。

私の好きなアーティストも、私の好きな人も。

芸能人だからこそ、動かせる人がいて。
芸能人だからこそ、届く場所がある。

やるべきことを感じて、やれることをやる。
たとえ、それが偽善だと言われても。

私のように、「何をどうしたら助けになるのかわからない」
そんな人の背中を押してくれるだけでも、
それはとても大きな力だと、私は思うのです。

後に出会った、福島で復興イベントをされていた被災者の方が、こんなことを話してくれました。

「あの頃、放射能の問題もあって、被災地は本当に暗かった。
そんな時に麻世さんが仲間を連れて避難所に来てくれたんです。“大丈夫?”って声をかけてくれて、一緒に歌ってくれて。
あの芸能人が来てくれたって、みんなが笑ったんですよ。見捨てられたと思っていた私たちにとって、一瞬、光が差したようでした。」

その場にいた人の言葉は、とても重く、深いものでした。

その話を聞いた夫は、静かにこう言いました。

「いや、芸能人っていうだけで、
こんなに喜んでもらえることがあるんだって、
逆に力をもらえたんだよ。」

私にとっては、それだけで良かった。
それだけで、人として大切な何かがわかった気がしました。

人として。
ただ、一人の人として。

震災が教えてくれた、大切なこと。
この出逢いも、きっと神様が繋いでくれたご縁。

今日も、今があることに感謝。
そして、私の今日という一日は、誰かが切に願った大切な一日。

忘れてはいけない今日の日に。
改めて、人として忘れてはいけないことを胸に。
亡くなられたたくさんの大切な命に、想いを馳せたいと思います。