ファンタジー作品の読書会、ファンタジー研究会の
9月のテキストは、
「図書館の魔法」ジョー・ウォルトンでした。
めっちゃ面白かった!ので、
SF好きにはぜひともオススメ!
本作は、SF小説好きな主人公の少女モリが、
英国の寄宿学校での毎日を
綴った日記形式の物語です。
いちおう、
狂った魔女である母親とモリ、そして双子の妹モルとの
相剋の物語になっているのですが、
大きな骨組みは弱くて、期待はずれの尻すぼみ。
にもかかわらず、
圧倒的物量、質量の、SF一覧に、
SFファンタジー好きなら、
いやおうなしに引きつけられてしまう魅力があるのです。
そう、本書の最大の魅力は
SF黄金時代の
超キレッキレのSF読書批評日記であるところ。
舞台となる、1979年当時のSFが網羅されている
巻末の186冊の登場文献リストが欲しくて本書を買った、
という人がいました。わたしも同じ!
それなりにSFを読んでいるつもりでしたが、
20冊にも届きませんでした…!
この圧倒的な情報量は、たとえるなら、
マンガ「孤独のグルメ」の描写のよう。
淡々と日々の読書の記録が綴られていきます。
あるいは現代でたとえるなら、
博覧強記の読書人のブログでしょう。
ネタバレしないギリギリのラインでの内容紹介は
心憎いばかりです。
また、モリが、SF読書会で
初めて本を語れる仲間を得て喜ぶシーンには
ファンタジー研究会もとい、ファン研の
全員が大きくうなずきました。
ところで。
わたしにとっての本書の魅力は
以上のような点とはまったくちがうところにあります。
本題に行きましょう。
「魔法」は実在します。
本書は、「魔法」の本質を科学的論理的に解説した
最良の書です。
言わせてください。
魔法とは、例えばお金を得る魔法とは
金貨がざくざく空中に発現するわけではありません。
魔法は『物理法則に反しません』。
例えば金運アップなら
魔術儀式を行うことで、
その人が持つスキルに適応する会社との縁をつなぎ、
偶然のごときタイミングで、
転職を成功させ、結果として収入アップを実現させるのです。
魔術は物理法則に反する技ではなく、
自分の希望や願いを、集合無意識に届け、
適切な縁を結び直す技なのです。
そういう
魔術の本質が、
本書には分かりやすく描かれています。
ファン研では、ドン引きされると思って言えなかったのですが
現代日本にも本書に登場するところの魔法を使う魔女がいます。
(悪い魔女ではなくて)
わたし自身は不肖の弟子ですが、
わたしの師匠は本物の魔女です。
本書では、
「フェアリーに魔法を教えてもらった」とありますが、
現代の魔女は、
ゴールデンドーンを初めとする西洋魔術系列の魔術書から、
魔術儀式を受け継いでいます。
現代日本にも魔女がいて、
本当の魔法を使います。
そしてもうひとつ、
作中で主人公は、
他者の気持ちを魔法で左右してしまっているかもしれないと悩みますが、
わたしなら、
「大丈夫。人の気持ちを魔法で左右することはできないから」
と伝えてあげるでしょう。
魔法は、自分自身と、
自分を取り巻く環境を変えていくための、
伝統に基づく技術です。
これほどまでに魔法が、
理性的に、分かりやすく、科学的に描写されている本は他にありません。
SF作家にしてファンタジー作家でもあるル・グインは、
本書の魔法の描写を非情に高く評価したそうです。
さすが。
ル・グイン!分っていますね。
SF好きだけでなく、
占いや神秘好きな人、
そして、好きだけれど、
本心では信じていない人に、本書はオススメします。
この本は、
この世に魔法は本当にあるのだと、
論理的に説明してくれるからです。
最後に。
本書の上巻の前半部分。
主人公の系譜の、ご先祖のうんぬんかんぬんのところは
読み飛ばしてOK☆
ここで挫折して進めなかったという人もいましたので。
わたしも、ここは、読み飛ばしました~!
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