お父さんと呼べる人がいなかった
新しいお父さんはまたいなくなり
そして次はお父さんではない人が家にいて
自分のお父さんは
血の繋がった1番最初のお父さんだけだと
ずっとそう言い聞かせてた
生きているのか死んでいるのかもわからない人
もう死んでるのかもしれないねと
子供に話した事もある
そして今日届いた手紙に
お父さんの名前と
亡くなったという事実
離婚したのは幼稚園の頃だったのかな
それさえ覚えてない
ただなんとなく覚えているのは
夜中にお父さんがいて
起きてしまった私を
名前を呼んで抱っこして階段を降りて行った事
お父さんの顔も声も温もりも
何一つ覚えてない
膝の上に抱っこされたまま
大人は何か話していたけれど
そのまま寝たのかどうなのかも覚えてない
幼いながらにいろいろと怖い経験もしてるようだけど
怖かったかどうかも覚えてない
そんなお父さんが
自分のお父さんが亡くなった
全く連絡もしていない
他人になっている人だけど
ただお父さんが亡くなったというだけで
涙が出るのはなぜだろう
連絡も取らない会ってもない人
どこにいるのかわからない人
これからも会わない人
生死さえもわからなかった人
他人
でもお父さんだった人
自分が今こうして生きているのも
子供達が産まれてくれたのも
お父さんがいたから
何がなんだかわからないけど
きっと伝えたいのはこれだけ
お父さんありがとう