写真はいつものカリンさんのでっかいメルティおケツですけども。


一昨日は出雲でレイトショー、
『国宝』なんとか観てきました!
3時間があっという間って映画ばかり観てるな今年…

評判どおり素晴らしい作品。

吉沢亮さんの演技、実は初めて観ましたが、すんごい人だ。
てかみんな素晴らしい演技。

…というのも含め、まあ大体の感想はネットにあるのでわざわざ書くこともないけれど。

個人的に思ったことを書いておくと。

主人公は娘に「みんなを犠牲にして」みたいなやじられ方してましたが。
いや、主人公こそ、歌舞伎がいくら好きだと言えど、「この子は歌舞伎に、女形に」って人(大人)の期待に応えようとして、犠牲になって、でも選んでもらえなかったという悲しみと怒りを長いこと抱えてきたんだけどねえ、と。

一緒に切磋琢磨したライバルの友人も一旦逃げるし、
(あれは「逃げたんとちゃう」って言ってたけど、ぼんぼんだから帰って来れたとも言えるよね…)
彼女にもうっすらプロポーズしたけど断られた上に友人とデキちゃうし、
芸で認めてくれたはずの師匠だって今際の際で息子の名を呼んでたし…(そりゃあのセリフいうよね)。

人に裏切られてばかりだから、そりゃ悪魔と契約するよね、それしか道ないし。
芸妓さんと婚外子もうけちゃうし、役(と血縁)欲しくて歌舞伎のお偉いさんの娘に手を出すし。

「どこ見てたんやろ?」
で、やっと彼は、
芸以外のことに執着してたからどんどんおかしなことになってきて、
芸から離れそうになってたと気づいたんだろな…

人間国宝という称号は誰かが決めたものだから、然るべき人たちから「認められた」わけだけど、
多分主人公はそれに関してそんなに感情大きくない。
最後のシーンで彼は、あの田中泯演じる人間国宝の演技を観た時の感覚を自らの舞台で得られ、「上から見てる誰か」を感じられた。
「見上げつづけた」存在から、「見つめられたれた。
やっと認められた、愛された、と思えたんじゃないかな。

余談ですが、昔、フラとバンドで舞台に立ったことがあります。
映画とは比べ物にならない小さな経験だとはおもうけどね、期待されたな、って瞬間もあります。
頑張ったけど、勿論失敗もするけどそれより、
「あっ裏切られた」「そりゃないよ」
ってこと、あってね。それを思い出して、ぎゅっとなりました。辛いよね。好きだからこそ辛いよね…と共感したからこそ、こんな感想書いたんですけどね。

あと、フラの発表会で、古典フラの演目の時、
舞台袖からステージに1番に躍り出なきゃ行けないことがあったんですよ。
ステージ上にはハワイの先生がいて、そのイプヘケの音で出ていく。
その先生にそのポジションを抜擢された時は、嬉しいよりも「やらねば!」って気持ちで頑張ってきたけど、
本番、舞台袖で、急に「こわいー!」ってボロボロ泣いたなー!!
同じ袖にいる人たちに慰められて、いよいよステージに出るってなった時。
なんの感情もなくなって、ステージの先で待ってるハワイの先生しか見えなくなった。
…あれはとても素晴らしい、宝の経験です。

フラもバンドも過去となりました、嬉しいことも辛いことも沢山ありました。
今でも、やめなきゃどうなったのかな?って未練がちょびっとでること、あります。

愛し求め続ける人だけが見られる景色の映画、『国宝』。
観た人それぞれに素晴らしい作品ですが、私にとってもとても素晴らしい体験となりました。