初めての手術入院

     腫瘍を取るだけの 簡単なものだったのですが、

 

病院で 担当の先生から質問

 

「手術で取りますか?

            取りませんか?」

ん…?   よくわからないので メリットとデメリットをきく。

 

「麻酔は全身麻酔にしますか?

            くも膜下麻酔 下半身麻酔にしますか?」

それも 私が決めるの?  とりあえず それぞれのリスクをきく。

 

「何泊 入院しますか?」

え?  さすがにそれはわからないー

         通常はどのくらい?  経過見で。

 

ここは ホスピタリティサービスを売りにするホテルか!

責任が及ぶのを恐れてのことか

言葉が不思議に浮いて聞こえてしまう。

こんなもの?

 

普通に 市立の市民病院の大部屋に入院。

 

同室のご高齢のご婦人方から 口々に「若い若い」と言ってもらい  すっかりご機嫌に

(決して若くはないのだが)

 

 

その夜  

手術後で動けない私に 一人のお婆さんが 声をかけにベットまで来てくれた。

ゆっくりとした 細々とした声

87歳だそう。

「私は 前の病院で 全ての検査してもらったけど

   不調は歳のせいと言われて 

   点滴とたくさんの飲み薬わたされて

   二週間後に退院って 言われて、

   でも どうしても胸のシコリと首の痛みが気になって

   CT撮ってくれるまで 絶対に出ない!って 言って

   調べてもらったら、乳がんみつかって、

   この病院に紹介状書いてもらって 転院して

   すぐ 手術してもらえて

   幸い発見が早かったから ステージ1ですんだ。

   首の痛みは血栓が原因とわかって 治療してもらってて、

   どっちも 発見が遅かったら 大変な事になってた。

   いくら歳をとっても 命は大事や。

   かわいい孫も見舞いに来てくれる。

   まおちゃんみたいになりたくないねん。

   自分の体を感じとって 自分から言う。

   自分で決める。

   自分の命を守るのは 医者じゃない

   自分自身や。」

 

説得力ありすぎるー

年輪を刻んだ皮膚に細く弱々しい体つきのお婆さんから 後光がさして見えた。

 

迷いの中 迷走中の私なんて まだまだ精進が足りない。

 

長く人生を生きてきた方の言葉は、 深く、重く、そして 優しい。

 

 

ちなみに 翌日の夜も 新たに手術入院して来た横たわる患者に対して 同じ儀式が淡々ととり行われていた。

 

 

お付き合いいただいて ありがとうございます。