45年前のうどんのお礼 | 山下純子Times.

山下純子Times.

潜在意識を良質化して人生を自在に生きる方法をあなたにお届けします。

image

 

 ひょんなことから知り合った男性が父の教え子だったのです。父は、かれこれ45年前に彼の家でうどんを何度もご馳走になっていたとのこと。お母さまが打ったうどんを土産にもらい、私も子どもの頃に食べていました。長い年月を経て、突然また縁が廻ってくる。実に不思議なものです。

 私が鹿児島に居るときにタイミングよく帰省なさり、昨日のこと、遺影となった父に会いにいらしてくださいました。彼の中の父は40代です。年老いた父の写真を見て呟いた「先生」の一言に長い月日が込められているようでした。

 私はその様子を見て思ったのですよね。彼にとって父が良い先生だったから会いにきてくださったのだろう。嫌な先生の記憶だったら、最後に会ってから45年も経って山下家の仏前に手を合わせてくれる彼はいなかったわね、と。人の記憶の中に自分をどのように留めていくのかを考えながら生きていくことは本当に大事なことだと、遺影の父と彼から学ぶ思いでした。

 彼の来宅で天国の父が喜んだのは言うまでもありませんが、母がとにかく嬉しそうでした。もちろん私もです。笑顔で多くのことを語って母の体調を慮ってくださり、話題が逸れそうになるとすかさず言葉を変え、お帰りになる際も仏前に手を合わせておられて本当に良い人だと思った次第です。当時の卒業アルバムもお持ちくださってありがとうございました。私は、また彼に会いたい。

 母と私から、お母さまへ45年前のうどんのお礼の品をお渡しできたのも感慨深いものがありました。それは父の遺族年金で購入したものですから、父からのお礼でもあったのは言うまでもありません。父が生きていたら、彼を見て「立派になったなぁ。あのときのうどんは美味しかった。お母さんによろしく伝えてね」と言ったに違いありません。

 人生は廻る輪のように。彼と知り合ってから、また読みたくて購入しました。人生は縁も廻るのですね。

 

山下純子