
目が
覚めると
朝だった
小さな島の
真っ暗な塔の中に
閉じ込められていることに
私は気がついた
どこを
探してみても
出口は見つからない
ただ
黒いレンガ壁に
取り囲まれている
叫んでみても
壁を叩いてみても
返事はなかった
誰も
誰も
いなかった
塔の中にいるのは
私だけ
夜になり
朝になり
また夜になり
朝になり
夜になり
また朝になり
遠くにあった
絶望が
私のすぐそばに
近づいている
その時
私の肩に
何かが
ゆっくりと
降ってきた
夜だった
上を見あげると
小さな
丸い星空があった
降ってきた柔らかいもの
汚れてしまった
右手で拾いあげる
白い大きな羽根だった
軽くフワフワとした羽だった
朝になり夜になり
また朝になり
夜になり朝になり
また夜になって
白い大きな羽根は
またひとつ
またひとつと天から
ヒラヒラと舞い降りてきた
白い希望を
数えてみると
99枚にもなった
私は着ていた
木綿のシャツの糸を
ほどき始める
ここから
絶望から逃れだすための
希望を抱きながら
99本の糸
ほどいた私は
白い希望をつむぎ始める
ゆっくり
時間をかけて
夜になり朝になり
また夜になり
朝になり夜になり
また朝になり
白い小さな希望
大きな二つの翼となった
私は二つの翼を
痩せ細ってしまった
裸の上半身にしばりつける
転がっていた
鋭利な石片で
翼とつながる
肩甲骨のあたりを突き刺す
痛みが走る
手首を切る
真紅の血が滴り落ちる
温かい血を
べっとりと舐め
右手で十字を切るように
胸に塗りつける
そして
深く深く
息を吸いこむ
目を閉じる
翼が
翼が
動く
意識を
高い塔の出口へ
向ける
右の足
左の足
ふわり
浮いた