瞳から赤い涙が流れはじめる | Poetphotographer りゅういち
その日、
妻は怒りとも悲しみともつかない表情で
ティファニーの前で僕を見ていた
結婚指輪を無くした
僕は嘘をついた
妻はわかっていた
指輪を外さない限り
無くすことはないから
妻はわかっていた
僕の心が妻にはなく
別の女性にあることを
妻はそれを言葉にはしない
言葉にすると
僕たちの関係が終わることがわかっていたから
強引に僕は妻をティファニーに連れて行った
新しい指輪を買えばいいんだろう
妻に言葉を吐き捨てた
妻はまだティファニーの前にいる
僕を睨みつづけている
瞳から赤い涙が流れはじめる

