
午前に見た夢
砂利道が地平線まで続いてる
砂利道の脇には草木が生い茂ってる
建物は見えない 歩く人もいない
砂利道以外は何もない 誰もいない
バス停とベンチがある
バス停に赤いバスが止まる
僕はバスに乗りこむ
バスは音もたてずに動き出す
乗客は誰もいない
乗降口そばに立っていた僕
顔のない運転手
声がした
私を呼ぶ女の声だった
声のある方へ僕が目をやる
後部座席にぽつんと喜多山 弥生さんが座ってる
誰もいなかったのに
喜多山 弥生さんが現れたのが不思議だったが
私は揺れながら近づいて横に座る
彼女の手に私の手を伸ばし重ねる
彼女は手を絡ませてきた
私の性欲をゆっくりと刺激してきた
午後に見た夢
駅に向かう 田舎の駅
駅前の掲示板の前に惣田 さゆりさんが立っている
髪型は彼女がショートカット
二言三言言葉を交わす 久しぶりの再会だから懐かしい
「よくここに来るの」と私
「うん」と彼女
そして別れをつげる
駅のなかに入ると友人たちが先に赤い列車に乗っている
窓口で切符を買おうとした私
何処まで行くのか いくらかかるのか わからない
先に列車に乗っている友達に大きな声で聞いてみる
私の前と後ろで声がする
120円 120円しかしないよ
振り返ると先ほど別れた惣田 さゆりさんが立っている
「今どこに住んでいるの 君をずっと探してた」
「久留米…」
そして彼女は消えた
そして夢も消えて私は目覚めた
昭和61年9月20日
好きだった人の夢を二度見た一日