
待ち合わせ場所 東京の老舗お寿司屋
僕は待ち合わせ時間より
30分も早く着いて彼女を待っていた
ランチを一緒にする約束を取り付けたからだ
和美に会うのは何年ぶりなんだろうか
確か僕が25歳 彼女が23歳だったと思う
ニューヨークで僕たちは初めて出会い
そしてすぐに恋に落ちた
ニューヨークの日本食レストランでウエイターを
やりながら僕はある夢のために生きていた
夢は咲くこともなく3年経って帰国した
51歳になった僕
和美に会うのは何年ぶりなんだろうか
22年ぶりになるのだろう
もう会えないだろうと思っていた 永遠に
1年前にFacebookで彼女を見つけることができた
22年の長くて遠い空白は
青年だった僕を白髪まじりの中年男に変えていた
彼女も変わったのだろうか
そんな事を考えながら
お店の入口の待合室の長椅子に座り
入口の戸が開いて
彼女が入ってくるのを待っていた
彼女の心を揺らす言葉を考えながら