金融庁 暗号資産・イノベーション課を新設しモニタリング強化へ
暗号資産・イノベーション課
金融庁は29日、令和8年度予算の機構・定員要求を発表し、監督体制を大幅に再編する方針を示した。
総合政策局を改組し、新たに「資産運用・保険監督局(仮称)」を設置するほか、暗号資産やキャッシュレス決済を扱う専任部署として「暗号資産・イノベーション課」と「資金決済モニタリング課」を新設する。定員は31人の増員を要求し、合理化による削減を差し引いて15人の純増となる。
今回の再編は、資産運用立国の推進や保険業界の監督強化に加え、フィンテックや暗号資産取引、生成AIなどデジタル技術を活用した金融サービスの急速な拡大に対応する狙いがある。
暗号資産関連では、現行の「暗号資産・イノベ参事官室」「資金決済モニタリング室」「決済・デジタル金融グループモニタリング室」を統合し、新設課のもとで常時モニタリングや販売・勧誘における説明義務、適合性規制の実装、システムリスク対応を担わせる。
さらに、監督局を「銀行・証券監督局(仮称)」へ改称し、官房担当の政策統括官ポストを新設するなど、組織全体の司令塔機能も強化する。金融庁は、設立から四半世紀を迎える中で、組織再編と人材育成を通じて政策対応力を底上げする方針だ。
同日には暗号資産取引に対する分離課税の検討を含む税制改正要望も公表されており、制度と組織の両面から「株式並みの投資家保護」を実現する体制を整えようとする姿勢が示されている。
金融庁、暗号資産の税制見直しを正式要望 分離課税導入も検討対象に
分離課税導入を含む、税制見直しを要望
金融庁は29日、令和8年度(2026年度)税制改正要望における主な要望項目を発表し、暗号資産(仮想通貨)取引の課税制度見直しを正式に要望した。ビットコイン等の上場投資信託(ETF)を組成しやすくなるような税制改正についても要望に盛り込んだ。
金融庁は「暗号資産取引に係る必要な法整備と併せて、分離課税の導入を含めた暗号資産取引等に係る課税の見直しを行うこと」を要望事項として明記した。ただし、具体的な詳細については言及されていない。
現行制度では、暗号資産の売買益は「雑所得」として給与所得等と合算され、最大で55%(住民税含む)の累進課税が適用されている。一方、上場株式等の売買益は約20%の申告分離課税が適用されており、この税制格差が市場発展の阻害要因として指摘されてきた。
暗号資産が他の金融商品と同じ規制下で管理されることで、取引の一元管理やETFなど新商品の開発も進み、国内外の機関投資家が参入しやすい環境が整うと期待される。
暗号資産ETF組成環境も
ビットコインETF(上場投資信託)等が米国を筆頭に海外で先行する中、日本国内のビジネスは出遅れている状況が続いている。
金融庁は今回の要望で「諸外国の動向を踏まえ、我が国でも暗号資産ETFの組成を可能とするための検討を税制面を含め」進める方針を示した。
7月末には暗号資産に関するワーキンググループの第1回会合を開催し、暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)の規制枠組みに移行させる方向で検討を開始。2026年の通常国会で改正を目指している金融商品取引法に盛り込む方針で、税制面と規制面の両輪で制度整備を進める構えだ




