先日、紅葉を求めて、地元の高尾山に行ってきました。
89歳と88歳の両親、そして、姉と私を合わせて299歳!
びっくりです。
90歳間近の両親は、もう、いつお迎えが来てもおかしくないお年頃。
少しでも楽しい思い出を...そして、家に籠り勝ちな老人夫婦に外の空気を吸わせて歩かせようと、
家族4人で出かけることを思いついて出かけました。
ありがたいことに誘ってくれる方がいるので、月一回はゴルフ場に行く父親と
(半分はカートに乗っているだけらしい)
実家のすぐ近くのフラダンス教室に週一回通う母親。
2人とも「子どもの迷惑にならないよう、自分たちで生活すること」をモットーにしているそうで、食事に気を付けたり、身体を動かしたり、それなりに元気に過ごしています。
でも、出かけることはずいぶん減って、家にいることが多いみたいです。
ケーブルカーで行って、途中で歩くのが嫌になったら、そこで引き返そうと姉と決めて、9時に私が自宅を出発。
途中、姉をピックアップして実家へ。
老人二人を乗せて高尾山を目指します。
甲州街道の銀杏並木は、まだまだ青くて、紅葉とは程遠い状態。
途中から、だんだんと色づいてきましたが、まだまだ黄色とも言えない状態。
「今年は紅葉がおそいねぇ」
「いちょう祭りの時には色づいているといいねぇ」
「夏が熱すぎたから、紅葉になる前に枯れちゃうかもね」
そんなたわいもない会話。
若干認知症の入った父親の口癖は「頭がぼーっとして考えられないんだよ。もう、歳だからね」
そして、どこかへ行こうとすると必ず、難色を示します。
でも、行ってしまえば、いつも「楽しかったな」と、うれしそうなので、連れて行きましたが、
車中では、姉と母親と私でにぎやかにおしゃべりするものの父親は、ずっと黙りこくっていました。
駅前の駐車場が満車で、少し、離れたところに移動して駐車することになり、
私が誘導しているおじさんに「ここから入っていいの?」と、訊くと、すかさず後ろから父親のたしなめる声。
「『いいの』じゃなくて、『いいですか』だろ」
失礼しました。
60歳になっても私はいまだに父親に怒られます。笑
車を停めた後、歩いて駅前へ。
「ずいぶん、人がいるわねぇ」
「こんなに人が多いのは初めてだ」
高校時代の同級生で作った「山歩会」で毎月歩いている母親はスタスタ。
その後を追う父親。
母親からポールを一本借り、杖替わりにして歩いている父親の姿を見て、まさに「ザ・老人」のシルエットだ!と父親を目で追う私。
「高尾山に来るのは、20年ぶりくらいかも」と、はしゃぐ姉。
こうして、高尾山登山はスタート。
ケーブルカーの切符を買って振り返ると、老人二人が見当たらない。
「ま、いっか。先にトイレに行ってこよう」
トイレから出て来ると、そこに二人を発見。
ケーブルカーに乗った後、ゆっくり薬王院へ。
その間もああだ、こうだとしゃべる女性3人と黙々と歩く父親。
あんまり楽しいとも見えませんでしたが、「行かない」とも言わないので、そのままゆるやかな参道を歩きました。
薬王院が近づいて、杉の奉納者の名前が並ぶ木札の前で父親が自慢そうに「これは中学の同級生だ」と言いました。
そして、また、景色を見るわけでもなく、足元を見つめながら黙って歩いて行きました。
薬王院の敷地に入り、「願いの叶う輪」をくぐったり、縁結びの神様に拝んだりする姉と私。
写真を撮ろうとスマホを構える母。
無言で立っている父親。
「今日は、どこまで行くんだ」
と、訊くので
「本殿まで行って帰るよ」
と言うと、
「そうか」
と答える父親。
本殿への階段は急なので、落ちたら支えようと父親の後ろについて登りました。
本殿前で
「代表でお線香を買うね」
と、言う姉に
「お母さんから預かったお金で100円あるよ」
と、お線香を購入する私。
母親も加わり、3人でお線香の煙を浴びながら振り返ると、離れたところでストックをステッキのように構えて立ちポーズをとって見ている父親。
「ここまで来たのだから、お詣りすればいいのに」
と、思いながら、別に父親に声もかけずにおりました。
「高尾山のおみくじは厳しいってみんないうね」
と、言いつつ、おみくじを引くと小吉。姉は吉。
母親が
「どうだった?」
と、寄ってきて話がはずみましたが、父親は遠くで相変わらず立ちポーズ。
登ってきた階段を下りるのは危ない感じだったので、階段の少ない方に迂回して薬王院を後にしました。
帰りは意外に口数の多い父親。
「今日は、頂上まで行くつもりだった」
らしいので、緊張していたのかな。
ケーブルカーは、運よく1番前の運転席の隣の2人席に両親を座らせ、そのそばに立つ姉と私。
「小さい子がいたら、前に来させてあげよう」
と、言いながら発車を待ちましたが、結局子どもは乗ってこなかったので、そのまま一番前でケーブルカーからの景色を楽しみました。
「一番前に乗るなんて初めてだな」
と、父親もなんとなくうれしそう。
ケーブルカーを降りて売店の前を通ると
「お父さんと二人だけだと、必ずお土産屋さんに寄って、あなたたちのお土産を買うけど、今日は一緒だからいらないね」
と、いう母親。
いくつになっても親はありがたいなぁ...。
お蕎麦屋さんに寄って、天ぷらそばを食べて帰りました。
全然楽しそうに見えなかったのに父親は、帰ってから
「楽しかったなぁ。今度はちゃんとした紅葉を見に行こう」
と、言っていたそう。
父も母も来年は90歳。
外出するのは、さらに面倒になってくるのでしょうが、無理のない範囲でたまには出かけようね...と、話しながら姉と帰りました。
(おまけ)
駐車場代、ケーブルカー代、お蕎麦代、4人で9,900円。
お線香代100円を入れて、ジャスト1万円のおでかけでした。
