さて、当日は朝の3時に家を出て、ガラッガラのフリーウェイをどんどこ進んだです。
したらば、途中の山道で、大きな川に次々にかかっとる橋を直してました。
その時間まだ工事はやっとらんのですが、道幅が制限されてるうえに曲がりくねってるんで、これがもう、怖いのなんの!!!
しかも、両サイドはブロックで「塀」が作ってあるもんで、ある程度の速度で走ると、その壁が迫ってくる感じでもう、ヒヤッヒヤ。
支配人とワーワー叫びながら走りよったです。
ようやくその「難所」を抜けて、給油とトイレ休憩をば…と、いったん、フリーウェイを降りました。
こういう田舎のガススタは、早朝でもしっかり開いとります。
ガススタのコンビニでトイレを済ませ、水を買って戻ったらば、何やら支配人が深刻な顔をしちょる。
どうしたのかと訊いたら、タイヤの圧がおかしいんですと。
バランスが悪くてアラートランプが点灯しちょる、っちゅうことで、そのガススタでタイヤを調整して再出発したとです。
アラートランプも消えてホッとしちょりましたら、まーた点灯しよる。
さっきから20分も経っとりません。
コリャおかしい、ってんで、緊急でまたフリーウェイを降りてガススタに寄って調べましたら、さっきと同じ場所のタイヤの圧がものすごーく下がっちょる。
タイヤの空気圧って、低くても高くてもいかんのです。
特に高速で走る場合、バーストの可能性がありますけんね。
ずーっと考え込んでおった支配人、「これはもしかしたらパンクかも…」と、ガススタの人に助けを求めに行きました。
すると、なんとラッキーなことに、ここから1マイル(1.8km)ばかり行ったところに、すごく評判のいい車の修理屋があるんだそうで。
ただ、時間が早いからまだ開いてないだろう、と…。
うーん、確かに7時をちょっと回ったトコなんですよね。
修理工場って、早くても8時半〜9時くらいに開くのが普通なんで、やってる可能性は低い。
タイヤをかばいながらのノロノロ運転でようやくたどり着いたそこは、やっぱり閉まっちょりました。
でも、このままじゃどうしたって走れませんから、修理屋の敷地内で誰かが来るのを待つことにしたんですわ。
15分くらいもスマホをいじっとると、敷地内に大きな車が入って来よりました。
田舎らしーい、ちょっとボンネットにサビが浮いた、色があせた車。
運転しとるのは、年配にさしかかった感じの女性。
支配人はかの女の車が敷地内で停まるのを見て、話をしに行きよりました。
パンクしちょるみたいで、旅の途中で難儀しとること、などなど…。
で、かの女にこの工場が何時頃に開くのかと訊ねましたら、やっぱり9時前くらいとのこと。
うーん、しょうがないでしょな。
かの女はわたしたちの今の位置からもう少し、後ろに下がっとったほうが修理工場に入るのに便利だ…とも教えてくれました。
ありがたや…。
とはいえ、もーーーー、ただただ、待つしかないとです。
そしてまたしばらく時間が過ぎ…。
かの女性が車を降りて、こっちに来よります。
白人のブブーっと太った大柄の女性で、いかにも近所に住んでますっちゅう感じの、のびたTシャツに色あせた短パン、そしてサンダル履き。
スーザン・ボイルにヨレヨレのTシャツと短パンを着せたら、まーーんま正解な感じですわ。
そのかの女は支配人のところまで来て、こう、声をかけて来よりました。
「この修理屋の人に事情を話して、早く来てもらえるように頼んであげたからね!」
おお〜〜〜〜!!
なんとなんと!!!!!
そんなんが言えるとは、この女性、この工場の知り合いさんか上顧客でしょか。
降って湧いたありがたい話に、めっちゃお礼を言うわたしたちでした。
それから15分もしたら、ひとりの爺ちゃんが車で敷地に入って来よりました。
時間は8時ちょっと前、工場の開く時間にはだいぶ早いです。
その爺ちゃんが車から降りてそのままススーッと工場の方に行くのを見て、支配人は大慌てで車を出て、爺ちゃんにかけよりました。
その爺ちゃんはやっぱり、工場の修理工さん。
サクッと工場を開けて、修理をしてくれることになりました。
おお、ありがたい…。
さっきの女性にもお礼を言わねば!!!!!
……とかの女の車が停まっていたところを振り返ったら…。
ら…。
そこには、何も、誰もおらん。
ぇ???

あんなエンジン音がデカい大きな車、出ていくときにはわかるだろうし…(実際、入ってきたときもエンジン音ですぐわかった)。
早朝の田舎道ですもん、出ていくにしろ入るにしろ、車が通ればすぐわかるですよ。
が、近くを探しても、全く見つからん。
ホントに、煙のように消えてしまいよったです。
そもそも…。
かの女は、わたしたちと同じく、修理工場が開くのを待つので来たんじゃなかったんですかね?
それが用を足さないうちに、なんで居なくなってしまったんやろ。
不思議なこともあるもんですわ。
で、修理工の爺ちゃんによるとやっぱりパンクでして。
細い釘を踏み抜いとったそうですわ。
あ〜〜〜〜、あの工事しとったトコに違いないわ…。
工事中の道に重機が使う釘やらが散らばってて、知らんと踏み抜くことってよくあるんですわ。
でも、その程度ならすぐに直してもらえるそうで…。
ああ、よかったよかった。
で、なんとお代は「10ドル」。
はーーーーーー???
こんな早朝に作業してもらって、それじゃあ安すぎやろう…。
…とチップを渡そうとしたら「要らないいらない、取っておきなさい」と、爺ちゃんはぜーーったいに受け取ってくれんのです。
モジャモジャと押し問答になっちゃったんで、じゃあ、どこか必要とされとるところで使おう…と決めて、爺ちゃんによくお礼を言って再出発したです。
何やもう、この軌跡の連続。
ふんとーーーーーに、ビックリしよりました。
これも吉方位旅行のおかげですかネ。
……うん。
もしかしたらあの女性、エンジェルだったかもしれんですよ。
神様やらが、見た目の悪い姿(失礼!)で現れて奇跡を見せてくれる…っちゅう話はどこの国にもある話でして…。
きっと、あの女性もエンジェルだったんじゃないでしょか。
どこかでわたしたちが送り出したエネルギーが、い〜い形で返ってきよったんじゃないでしょか。
わたしたちは、今でもそう信じてるとです。
そして、こんなトラブルがあったにもかかわらず、予定よりたった1時間おくれで友人と再会したとでした。
<つづく>