心理カウンセラー・公認心理師の栗林あや(いがぐりこ)です。
母親のことが嫌いなわけじゃない。感謝している。
でも一緒にいると、なんか息が詰まる。
電話すると、疲れてしまう。
帰省が近づくと気が重くなる。
・・・思い当たること、ありませんか。
「なんで私はこんなに苦しいんだろう」
「お母さんのことを悪く思ってしまう自分が、嫌だ」
そう思ってる人って、本当に多いです。
でもそれって、冷たいからじゃなくて、
むしろ優しいから起きてることなんだと思います。
私は母子家庭で育ちました。
母が夜、家にいないことがときどきあって。
小学生の私は、暗い市営住宅の部屋で、ひとりで遊びながら、母が帰ってくるのを待っていました。
大人になって今、思えば、寂しかったし、怖かったと思います。
でもそのとき、私が自分に言い聞かせてた言葉があって。
「お母さんも大変だから」
そういう考えが先に来て、
母が帰ってきても、「寂しかった」とは言わなかったのです。
「おかえり」って言って、いつも通りにしてた。
母が大変なことは、子どもの私にもわかっていたから。
だから「寂しい」とか「怖い」とか、
そういう気持ちを私が出しちゃいけないって、なんとなく思ってました。
今思えば、あのとき私は、母を気遣ってたんじゃなくて、
「お母さんも大変だから」っていう言葉で、
自分の寂しさとか怖さにフタをしてたんだと思います。
「フタをする」っていうのは、
自分の気持ちを「なかったこと」にするってことです。
寂しいのに「寂しくない」、
怖いのに「怖くない」って、自分に言い聞かせてしまう。
子どもって、親のことをすごくよく見ています。
お母さんが忙しそうなこと、疲れてること、余裕がないこと。
言葉にされなくても、子どもはちゃんと感じ取ってました。
で、感じ取ったら「お母さんは大変なんだ。だから私はわがまま言っちゃだめだ」って、自分の気持ちにフタをしてしまう。
そんなことをやっていました。
子どもの私にとってお母さんは全てで、
「お母さんが大変なときに泣いたら、もっと大変にさせちゃう」
「お母さんの余裕がなくなったら、自分の居場所がなくなるかもしれない」
そんなふうに感じ取ってました。
「お母さんも大変だから」っていうのは、
お母さんへの思いやりというよりも、
「自分の居場所を守るための言葉」だったんだよね。
で、
この「お母さんも大変だから」は、
子どものときだけの話じゃなくて、大人になってもずっと続きます。
たとえば大人になって母親と会ったとき。
電話で話したとき。
なんかモヤっとすることがあっても、
「でもお母さんも大変だし」「一人でかわいそうだし」って、
気がついたらまたフタをしてる。
子どもの頃の「気持ちにフタをするクセ」が、
大人になってもそのまま続いてるのです。
フタって、1回や2回なら気にならないかもしれない。
でもそれが何十年も続くと、
自分が何を感じてるのかわからなくなってきます。
怒ってるのか、悲しいのか、寂しいのか。
それすら、わからない。
ただ「息が詰まる」「なんか苦しい」っていう感覚だけが残る。
母親といると息が詰まるのは、
お母さんが嫌いだからじゃないんです。
自分の気持ちにフタをしたまま、
お母さんと一緒にいるから、苦しくなる。
じゃあどうしたらいいのか。
お母さんのことを嫌いにならなくていいし、
「お母さんも大変だった」って思うのも、やめなくていい。
ただ、お母さんと接して苦しくなったとき。
「お母さんも大変だったから」って思う前に、
ちょっとだけ順番を変えてみるといいです。
お母さんの事情よりも先に、
「今、私はしんどい」って、自分の気持ちを1回だけ認めてあげる。
お母さんのことはわかってる。
でもまず、「私は今しんどいんだ。」が先です。
今まではずっと、お母さんの事情のほうを先に汲み取ってたのです。
自分がしんどいかどうかよりも、
「でもお母さんも大変だし」が先に来てた。
その順番を、ひっくり返す。
先に「私はしんどい」を認めてから、
そのあとで「お母さんも大変だった」って思えばいい。
たったこれだけのことだけど、
これをやると、ちょっと気が楽になります。
きもちって、無視されると、どんどん重たく、大きくなります。
でも「あ、私しんどかったんだな」って自分で、何よりも先に気づいてあげると、ちょっと軽くなります。
よかったら試してみてくださいね。

この話、YouTubeでもうちょっと詳しくお話ししてます。
よかったら見てみてくださいね。
▼母親といると息が詰まる。原因はあなたの優しさでした
栗林あや(いがぐりこ)でした!
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