心理カウンセラー・公認心理師の
栗林あや(いがぐりこ)です。
以前、カウンセリングでこんな話を聞きました。
友人の男性と食事をしていて、
その友人が、店員さんにちょっとだけ横柄な態度を取ったそうです。
たったそれだけのこと。
でも、帰りの電車の中で、
「もうあの人とは前と同じようには付き合えないな」
って感じてしまった、と。
その方はずっと自分を責めていました。
「もっと大らかになれたらいいのに」って。
(個人が分からないように内容を改変しています。)
この話、すごくわかるなぁ、って思いました。
最初は好きだった人や、尊敬していた人。
そういう相手なのに、付き合いが深まるうちに、
欠点が見えてきたり、小さな違和感が気になり始めることって、ありませんか。
ちょっとした言い方の雑さとか。
気分のムラとか。
自分への対応と、他の人への対応の微妙な差とか。
周りは気にしていないし、楽しそうにしている。
なのに、自分だけが、その人の違和感に気づいてしまう。
しかも、じわじわ冷めるんじゃなくて、
一気にサーーーーッって冷めてしまうのです。
少し前まで好きだったのに、
たった一つのことで、もう全部嫌になってしまう。
で、あとから自分を責めちゃうんですよね。
「私って心が狭いのかな」とか。
「なんでこんなことで全部嫌になるんだろう」とか。
「もっと気にしないでいられたら楽なのに」とか。
ぐるぐるしちゃう。
でもこれ、心が狭いからじゃないんだよね。
こういう反応が出やすい人って、
子どもの頃に、周りの大人の機嫌を読み取る必要があった人が多いです。
「今、この人は怒ってるかな?大丈夫かな?」
「この空気は安全かな?」
そうやって、自分を守るために身につけた力なのです。
で、その「気づく力」自体は、悪いものじゃないです。
むしろ、ずっとあなたを守ってきた力なのです。
ただ、大人になった今も、その「気づく力」がずっとオンのままだから、
相手の気になるところを見つけるたびに、
「危険だ!離れなきゃ」って心が勝手に動いてしまうのです。
それが、何度も同じパターンで一気に冷めてしまう正体なんだと思います。
最近、私が思うのは、「気にしない」のは無理だよなぁ…ってことです。
「気づく力」は消せないし、消す必要もない。
でも、「気づいた」と「あの人はもうダメだ!」のあいだに、
ほんの少しだけ間を作ることができたら、人間関係が楽になると思っています。
で、それに必要なのは「結論を急がない。」ってことです。
もし、その違和感が、1週間経っても同じ気持ちなら、
それはあなたの正直な気持ちです。
無理にその人と関係を続けなくていい。
でも多くの場合、少し見え方が変わっていたりします。
「気にしない」じゃなくて、「結論を急がない」。
この違い、なんとなく覚えておいてもらえたらなぁと思います。

この話、YouTubeでもう少し詳しくお話ししています。
よかったら見てみてくださいね。
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