心理カウンセラー・公認心理師の
栗林あや(いがぐりこ)です。
「自分を許そう」「もっと自分にやさしくしよう」
そう頑張っているのに、どんどん苦しくなる。
思い当たること、ありませんか?
実は先週末、私自身がそれを身をもって体験しました。
京都に出張に行ったんですが、お気に入りの 化粧ポーチ をなくしちゃったんです。
たかがポーチです。買い直せばいい。わかってる。
なのに、ものすごく取り乱してしまった。
「なんで確認しなかったの!」「なんでなくすの!」って、
自分をめちゃくちゃ責めちゃったんですよ。
そのあと「いやいや、許そうよ、誰だってうっかりするよ」って
自分に言い聞かせたんだけど、全然楽にならなかった。
むしろ、「許せない自分」がまた一つ増えた感じがしちゃったのです。
で、ここに落とし穴があります。
「自分を許そう」という言葉には、
「=自分は悪いことをした」という前提が隠れています。
つまり「許そう」と思った瞬間、
自分のことを「悪い人」として扱っている。
許そうとする。
でも許せない。
「許せない自分」をまた責める。
もう一回「許そう」と思う。また許せない。
これ、ループなんです。
「許そう」が解決策じゃなくて、
ループのスタートボタンになっている。
そして、もう一つ気づいたことがあります。
小さなミスなのに、ものすごく自分を責めてしまうとき。
「たったこれだけのことで、なんでこんなに落ち込むんだろう」って感じるとき。
もし、そのショックが今の出来事と釣り合っていないなら、
動いているのは「過去の記憶」かもしれません。
私には覚えがあるんです。
幼稚園の年長のとき、父からお土産にペンダントをもらいました。
赤いアルファベットの「 A 」がついたペンダント。
「あやちゃんの A だよ。あやちゃんのしるしだよ」
父がそう言って、わたしにくれたのです。
小さかった私はすごく嬉しくて、次の日、公園につけていったのです。
母には「失くすから外していきなさい!」って言われたけど、
嬉しくて、どうしてもつけていきたかった。
で・・・夕方になって帰るころ、気づいたんです。
「ない
Aが、ない。」
泣きながら探しました。
母が日が暮れるまで一緒に探してくれました。
でも、結局、見つからなかった。
そのとき母には、
「だからつけていくなって言ったじゃない!」
って叱られて、すごく悲しくなったのを覚えています。
先日、京都でポーチがないと気づいた瞬間、
45歳の私だけが動揺していたわけじゃなかった。
5歳のときの感情が、そのまま動いていたのです。
だから「たかがポーチ」なのに、あんなに取り乱しちゃったのです。
じゃあどうすればいいのか。
「次にやること」を1つだけ決める。
それだけです。
私も先日、
「明日、仕事が終わったら新しいポーチを買いに行こう。中身も一つずつ揃えよう」
って決めた瞬間、自分責めのループが止まりました。
うっかりした自分を、許したわけじゃない。
納得したわけでもない。
ただ、「次にやること」を1つ決めた。
それだけ。
で、あのペンダントの話、あとから気づいたことがあるんです。
父がペンダントをくれたこと。
母が日が暮れるまで一緒に探してくれたこと。
なくしたものの奥に、ちゃんと「愛情」があった。
なくしたことばかりに目がいって、もらっていたことを忘れていた。
それに気づけただけでも、この経験には意味があったと思っています。
許せなくていいんです。
ただ、「次、何をする?」と自分に聞いてみてください。

今日の話は、とても大事なので、YouTubeで詳しく話しています。
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