心理カウンセラー・公認心理師の
栗林あや(いがぐりこ)です。
人はときどき、ある世界観に、
すっかり酔いしれてしまうことがあります。
音楽だったり、本だったり、映画だったり。
心に刺さるフレーズや雰囲気にどっぷり浸かってしまうと、
まるで自分自身まで、
その世界の住人になったような気持ちになっちゃうのです。
それ自体は悪いことじゃないです。
むしろ、作品に夢中になれる感受性は、すごく素敵なことです。
でも、その酔いしれた世界が長く続きすぎると、
知らないうちに自分の人生そのものが
その世界観に染まっちゃうことがあります。
以前、知人の女性が
「20代の頃、中島みゆきにはまりすぎて、不幸な女ぶって生きていた。
恋愛を全部無駄にしちゃった…(笑)」
と笑って話していました。
当時はとにかく歌の世界に共鳴して、
歌詞の主人公になりきってしまっていたそうです。
振り返ると「あの時期は完全に酔ってた」って。
私はその話を聞いて、「わかる〜!」と思いました。
なぜなら、私にも同じような黒歴史があるからです。![]()
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私の場合は、森田童子でした。
中学時代、TBSドラマ「高校教師」の主題歌をきっかけに森田童子を知って、すっかり虜になりました。
周りの友達は安室奈美恵や小室ファミリー、KinKi Kidsなどキラキラした音楽を聴いていた時代です。
その中で私は、薄暗い部屋で、
ひたすら森田童子を流し続けて、歌詞の切なさや孤独感に浸っていました。
部屋の壁にはCDジャケット(当時レコードのリマスタリング版)を大量に白黒コピーしてペタペタ貼りつけて、自分の世界を作り上げるようにしていました。
祖母がうちにきて部屋に入ったとき
「うわっ!
」と驚いていたのを覚えています。
でも当時の私は、
「こんな私、薄暗くて悲しいでしょう?」って、
むしろ誇らしげにその空気に浸ってたのです。

いま思えば、あの頃は完全に「酔って」ました。![]()
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音楽の世界は素晴らしいものだけど、
それを自分の人生に憑依させすぎると、
現実の気分や自己評価まで、影響を受けてしまいます。
知人が「20代を中島みゆきに捧げてしまった」って言ったように、
私も10代後半を、森田童子の薄暗い世界に引きこもって過ごしてた気がします。
あの時間は無駄ではなかったけれど、
もしずっとそこに留まり続けていたら、
きっと今とは違う人生になっていたと思います。
不思議なのは、どのアーティストも本当に素晴らしいことです。
わたしは、中島みゆきも森田童子も大好きだし、
他にも、中森明菜や研ナオコなど、
その時代ごとに多くの人を魅了してきた歌手も同じです。
だけど、その世界観に浸ることと、世界観に縛られることは違う。
楽しむのはいいけど、
抜け出せなくなったときには
ちょっと注意が必要だなって思います。
ちなみに私は、その後少しずつ音楽の趣味が変わっていきました。
森田童子からチューリップ(財津和夫)へ、
さらに小田和正(オフコース)へ。
ちょっとずつ明るいメロディに惹かれるようになって、
自分の気分も自然と軽くなっていったと思います。
こういう変化って、
いきなり明るい音楽に切り替えることはできないんだよね。
でも、少しずつ「抜け出す」方向へ向かっていった。
それって結果的に、自己肯定感を保つために
大事な流れだったんじゃないかな、って思います。
きっと誰にでも「酔ってしまった経験」があると思います。
小説の世界に浸りきって現実がつらくなったり、
内にこもりきりになったり、
アーティストの生き様に共鳴しすぎて
自分の人生まで重ねちゃったり。
思い返せば「なんであんなに入り込んでいたんだろう」って笑っちゃうけど、そのときは本気で生きていた証拠なんだよね。
大事なのは「酔いすぎないこと」。
楽しむのはいいけど、
それがしんどさとか、自己否定につながってしまったら、
一歩外に出る勇気を持つこと。
世界観に浸るのは贅沢な体験だけど、
そこから抜ける選択肢を持っていると安心だよね。
あなたにも、そんな「酔ってしまった黒歴史」はありますか?
まさか・・・
今進行形で何かに酔っているせいで、
自分の人生を縛っていませんか?![]()
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しんどかったら、ちょっとその世界と距離をおいた方がいいかもね。
ちなみに、今もここに書いたアーティストは好きですが、
当時ほど、人生まで没入させることはなくなった気がします。
栗林あや(いがぐりこ)でした!
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