心理カウンセラー・公認心理師の栗林あや(いがぐりこ)です。
映画『アーカイヴ』をAmazonプライムビデオで見ました。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08W4NC1G1/ref=atv_dp_share_cu_r
もうかれこれ5年以上?Amazonプライム会員になっていたのに、
映画の特典ってまったく使ってこなかったんです。
もともと映画がちょっと苦手で…
感情が大きく揺れるのがどうも苦手で、避けてきました。
でも、ひょんなことから最近「ちょっと見てみようかな」という気になって、
初めて洋画を一本、ちゃんと最後まで見ました。
それが『アーカイヴ』という作品です。
あらすじをざっくり言うと、
「亡くなった奥さんにもう一度会いたくて、AIの技術を使ってロボットを開発していく」という、ある科学者の男性のお話です。
舞台は2038年の日本、山梨県の山奥。
主人公のジョージは、事故で亡くなった妻ジュールズの「意識」を再現するために、
山奥の研究施設で、AIを搭載したロボットをコツコツと作っています。
ジョージがつくったのは、3体のロボット。
1体目は幼い子どものような存在で、2体目は思春期っぽい反抗的な雰囲気。
そして3体目は、人間に近づけた「理想の妻の姿」に限りなく近いロボットです。
物語の途中で、企業側の思惑が絡んできたり、ロボットたちが予想外の行動をとりはじめたり…。
実際の撮影は山梨ではなく、ハンガリーで行われたそうで、
私たち日本人が見ると「え〜っ?!
!山梨ってこんなとこだっけ?」と、首をかしげたくなるようなシーンがいっぱいです。
大きな森に渓谷があって、滝はやたらめったらあちこちでザーザー流れてるし、建物もどう見ても海外…![]()
。
しかも登場する日本食レストランやの風景が、
ザ・外国人が想像する「勘違いニッポン」で、
変な日本語が飛び交っていたり、お店の内装が日本じゃなくて、香港っぽかったり…
…もうツッコミどころ満載です。![]()
それで最初は、「なんじゃこりゃ〜!(笑)」って、脳内で、ずっとツッコミを入れていました。
極めつけは、主人公が作った最新のロボット(J3)が、白塗りした女優さんで登場してて。
「えっ?人間が演じるんだ!?![]()
CGじゃないんだ…!」ってびっくり。
しかもロボットの肩に「パワーリスク」って謎すぎる日本語が書いてあるし、
ロボットなのに顔にうぶ毛生えてるし、アゴに吹き出物あるし。
最初は「え〜っ!![]()
もうツッコミが追いつかない(笑)」ってなっていました。
(ここからはネタバレ含みます)
でも、最後まで見ると、すべてが一気につながりました。
ラストは「えっ!!![]()
」って、どんでん返しが待っていました。
「ああ、そうか。これって『ジョージが思い描いていた日本』だったんだ!!」って。
つまり、現実の日本じゃなくて、
ジョージの記憶やイメージの中にある、「架空の日本」の風景。
あの奇妙な日本語も、変な山梨の描写も、
全部彼の中の「日本風」だったんだ、って。
(だって彼は、山梨に行くことができなかったのだから。)
そこに気づいたとき、「そういう構造だったのか〜!」って納得。
それまでのツッコミが、すべて伏線だったことがわかって、
一気に作品全体の見方が変わりました。
ちなみに私、結末には、途中でうすうす気づいてしまっていたのですが(笑)、それでも最後の演出はじんわりきました。
私的には、とてもおもしろい映画でした。
で、ここからは心理職としての視点で、少しだけ考察を。
心理の仕事をしている立場から、あらためてこの映画をふり返ってみると、
いろんな心のテーマが含まれているなぁって感じました。
たとえば、「大切な人を失ったときの気持ち」や「人とのつながりに対する執着」。
主人公のジョージは、亡くなった奥さんへの強い思いから、
自分の時間も命もかけてロボット開発にのめり込んでいきます。
これは、いわゆる「グリーフ」(大切な人を失ったときに出てくる心の反応)の中でも、
「現実を受け入れられない」とか、
「どうにかして元に戻せないかと必死になる」といった状態です。
それから、ジョージが作る3体のロボット(J1〜J3)は、
それぞれがまるで人との関係における「心の成長段階」みたいにも見えてきます。
最初のJ1は、子供のようにただ純粋で依存的。
2体目のJ2は、ちょっと思春期っぽくて反抗的な感じ。
そして3体目のJ3は、「理想の奥さん」にそっくりなロボットとして設計されていきます。
でも、その「完璧な理想像」に近づければ近づけるほど、どこかでうまくいかなくなってしまう。
どんなに妻に似せたロボットを作っても、
アーカイヴの妻から電話が来ると、ロボットは「ニセモノ」になってしまう。
「自分の理想通りに人をつくろうとすることの難しさ」とか、
「本当の意味で『別れ』を受け入れるために必要なこと」が、
ロボットたちとの関係性にあらわれているなって、思いました。
そして最後に、あのどんでん返し。
「え?じゃあジョージって…そういうこと?!」って明かされる展開。
自分自身の「目の前の現実」って何なんだろう?って、考えさせられます。
現実だと思っていたものが、実はそうではなかった…
そういう「ズレ」に気づいたとき、人って、すごく混乱しますよね。
この感じ、喪失を経験したあとに
「頭ではわかってるのに、心がついてこない」という状態に少し似ているように感じました。
AIや記憶に関する技術がどんどん進んでいく今だからこそ、
「人間の心ってなんだろう?」とか
「自分って、どこまでが『自分』なんだろう?」という深いテーマで、
SFなんだけど「人の心」について、深く考えさせられる映画でした。
ちなみに私は、この映画をすでに4回、繰り返し見ました(笑)
毎回、「あ、ここにこんな伏線があったのか」って気づくことがあって、なかなか飽きません。
そして最後に…いまだにわからないのが、このセリフ。
「マグロはやめておけ。」
あれ、どういう意味なんだろう?
海外だと、水銀の影響とか言われているのかな???
どなたかご存じの方、あなたの見解を、ぜひ教えてください〜(笑)
そんなわけで、面白い映画でした!
栗林あや(いがぐりこ)でした。
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