こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

新しい年 2024年が始まり、約1週間が経ちましたね。

暦の七十二候を見てみますと「芹乃栄(せりすなわちさかう)」となっています。

 

「芹(せり)」は、爽やかな香りと歯ざわりが特徴でありまして

「春の七草」の一つとしてもおなじみですよね。

 

平安時代には宮中行事にも用いられていたものが、やがて一般家庭にも広まっていくこととなり、毎年正月7日に一年の豊作や無病息災を祈って食べる「七草粥(ななくさがゆ)として、現代にも定着しているのだそうです。
 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

「正月」も終わり、寒さも厳しくなり、夜の街を見渡せば・・・

 

クリスマスの時期までは、華やかなイルミネーションに彩られて(いろどられて)いたのに・・・少しずつ、その灯り(あかり)が少なくなっていくように感じますよね。

 

なんだか、朝の目覚めがよくないし、夜も眠れない・・・と感じている方は、いらっしゃらないでしょうか?

 

なんだか・・・そんな感じがあるかな〜という方は・・・

「サーカディアン リズム(概日リズム)」に乱れが生じているのかもしれません。

 

「サーカディアン リズム(概日リズム)」は・・・およそ24時間周期で繰り返される体内の生物学的リズムのことを指します。

 

「体内時計」とも称される「サーカディアン リズム(概日リズム​​​​​​​)」は、睡眠と覚醒、体温、ホルモン分泌、食欲などの日々の生理的プロセスを調節しているのですね。

 

実は・・・次のようなことがあるのではないか?・・・と考えられているのですね。

 

冬の季節には、この「サーカディアン リズム(概日リズム​​​​​​​)」に乱れを生じる可能性がある・・・というのですね。

 

これは主に「日照時間(にっしょうじかん)」の短縮によって起こるのではないか・・・というのですね。

 

実は、冬の時期だけに「うつ病」の症状が現れる場合があります。

 

このような症状のことを「季節性情動障害(きせつせいじょうどうしょうがい)」と呼ばれています。

 

「季節性情動障害」は、以下のような症状が、直近2年間で2回以上起きた場合にそう判断するという方法も使われているようです(この判断基準の一例は、アメリカ精神医学会が定めた「DSM-5」を参考にしたものです)

  • 1年のうち、特定の季節だけ発症する。その季節を過ぎると症状が軽くなるか、躁状態になる。
  • 社会的なストレスなど、季節以外の要因は関係しない。
  • 発症しているときは気持ちが落ち込み、体がだるくて疲れやすい。

「季節性情動障害」の患者は、世界的に「冬の日照時間が短い地域」に多く見られるもので、日本では北陸や東北地方の日本海側に多いようです。

 

「季節性情動障害」は、「季節性感情障害(きせつせいかんじょうしょうがい)」とも呼ばれていまして・・・わりとポピュラーな疾患なのですね。

 

「季節性情動障害=季節性感情障害」は、悲しみと季節的パターンで現れる症状を大きな特徴とする抑うつ障害でして、この疾患は米国では、1000万人以上の患者がいるとされています。

 

しかしながら、多くの人は自分がこの病気に苦しんでいることに気づいていないのではないかと考えられているそうです。

 

上に紹介した「季節性情動障害=季節性感情障害」は、「サーカディアン リズム(概日リズム​​​​​​​)」の乱れによって引き起こされると考えられているのですね。

 

「サーカディアン リズム(概日リズム​​​​​​​)」と睡眠・覚醒のタイミングなどの外部刺激とのミスマッチが関係しています。人の体内では、1日を通して、体内時計のサイクルに従ってホルモンが分泌されています。

 

冬に日照時間が短くなると、体内での「セロトニン」と「メラトニン」の分泌に影響を受けることで、睡眠や気分にも影響が及ぶ可能性があるというわけですね。

 

では・・・その治療は、どうしたらよいのでしょうか?

 

続きは、後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>1月9日

 

昨日の夜ぐらいから、冷え込みが厳しくなっているような気がします。日本海側では雪になっているとか。

 

本文内でもご紹介をしたように「季節性情動障害」は、「季節性感情障害」とも呼ばれ、 「Seasonal Affective Disorder(SAD)(季節性感情障害)」の略称「SAD」で呼ばれることも多い疾患となります。とくに「冬季感情障害」の抑うつ状態を」示すケースが多いのですがは、多くの人は自分がこの病気に苦しんでいることに気づいていないようだ・・・と述べる医学者もいます。

 

以下は、「季節性感情障害(SAD)」に言葉を統一してみたいと思います。

 

他の抑うつ障害と同様に、病気を特定して、必要な治療と支援を患者が受けられるようにすることが極めて重要であると考えられています。

 

「季節性感情障害(SAD)」の症状は、多くの人は晩秋から冬にかけて、日照時間が短くなる時期に「季節性感情障害(SAD)」発症します。もちろん、一定数は、夏〜秋の時期に抑うつ状態をきたす方もいます。

 

冬にみられる「季節性感情障害(SAD)」の症状は、炭水化物を渇望する食欲亢進、睡眠時間やベッドで過ごす時間の増加など、従来のうつ病とは異なる傾向があります。

 

同時に、脱力感や普段の活動への興味の喪失など、従来のうつ病に近い症状もみられることがあります。

 

こうした「冬季感情障害」は、もっともポピュラーなものと考えられていますが・・・この疾患には、「サーカディアンリズム」と「光の刺激」が大きいと考えられています。


「季節性感情障害」と「サーカディアンリズム」との関連を見ますと、以下のようなものとなります。:

1. 光の不足
 

冬季の日照不足により、体内時計が正常にリセットされないことがあります。これは、特に朝の明るい光が不足することにより、「サーカディアンリズム」が乱れる原因となります。

2. メラトニン分泌の変化
 

「光刺激の不足」は、睡眠と覚醒を調節するホルモンである「メラトニン」の分泌パターンを変化させることがあります。冬季には「メラトニン」が過剰に分泌されることがあり、これがうつ状態や意欲の低下につながることもあります。

3. セロトニンの不足
 

「サーカディアンリズム」の乱れは、気分に影響を与える神経伝達物質セロトニンのレベルにも影響を及ぼすことがあります。日照不足は「セロトニン」の不足を引き起こし、うつ状態を悪化させる可能性があります。

4. 生活リズムの乱れ


「サーカディアンリズム」の乱れは、睡眠パターン、食欲、エネルギーレベルに影響を及ぼし、これらが季節性感情障害の症状を引き起こすことがあります。

さて、どのような治療法が有効なのか?・・・と言いますと、次のような方法が推奨されています。

 

冬季感情障害の治療法の一つとして、「高照度光療法」があります。これは、朝に太陽光や人工光(2500ルクス以上)を浴びることで、「セロトニン」の分泌を増やし、「メラトニン」の分泌を減らし、「サーカディアンリズム」を整えるというものです。

 

うつ症状や睡眠障害を改善する効果があるともされているので、ご存知の方も多いと思います。

 

最近の研究によると・・・以前にご紹介したSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬と同様に、プラセボと比較して「高照度光療法」の有効性を示すには少なくとも2~4週間が必要であるとされています。

 

このような治療に対する反応は、正確に時間を決めて光を照射することで最も強くなる。最も、朝の時間帯が最適である・・・とされているのですね。

 

ちなみに・・・蛍光灯をつけた部屋の明るさは500ルクス程度なのに対して、晴天時の屋外は、100,000ルクスであり、もし、天気が曇りであっても、屋外は,20,000~30,000ルクスの明るさがあります。

もし・・・自分自身やご家族が、この寒い冬の時期に「季節性感情障害」かも・・・と思ったら、15〜20分間程度、近所を散歩することを続けていくと・・・気分も変化して、生活リズムも良いものになっていく可能性がありますね。

 

なぜなら・・「サーカディアンリズム」を整えることができるからですね。

 

 

今回も最後までおつきあい頂きまして

誠にありがとうございましたお願い

 

参考)

1.CNS Spectr .2001 Jun;6(6):487-94

Is seasonal affective disorder a disorder of circadian rhythms?

P H Desan ら

 

2.J Pineal Res. 2023 Mar;74(2)

Daytime light exposure is a strong predictor of seasonal variation in sleep and circadian timing of university students

Gideon P Dunsterら

 

 

(レインボーブリッジ:筆者撮影)

 

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 理事長、院長  

小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

(総合内科、リウマチ専門医)

新潟大医学部卒

 

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