10年目の春に思い出す父との別れと、見えた景色 | ダブルケア・介護と子育てにがんばるあなたが気楽になれる場所

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15年の介護と子育てのダブルケアを経験した野嶋成美がダブルケアを楽にするヒント、孤独になりがちな毎日から解放されるヒントを、肩の力が抜ける遊び心を交え提案します。

 

こんにちは。

北海道札幌市の介護と子育ての同時進行・ダブルケア支援研究者の野嶋成美です。

 

 

 

 

今日は父の命日です。  
父が亡くなったのは2015年なのでちょうど10年経ったんですね。

今回は父の亡くなった日のことを、静かに思い出してみようと思います。

 

 

 

 

父は1週間前から危篤状態で、生死をさまよっていました。

「病院に泊まらないのですか?」

なんどか看護師さんに言われたのですが、私はいつもの通り毎日通っていました。

なんとなく泊まり込むことは死を待っているような気がしたから。

 

 

10年前の今日もいつも通り。

すると帰りのバスの中で病院から電話が入りました。

「すぐに戻ってきてください」と。

 

 

私は途中で降りることもできたのですが、一旦家に戻り、妹たちに連絡をとってから病院に戻りました。

自分でもわからないのですが、なぜか慌ててはいけないと思ったんです。

 

 

 

 

病室に戻ると、父と一番仲の良かったいとこの方が静かに病室に立っていました。

たまたま近くに来たから寄ったそう。

もしかしたら、父が最期に呼んだのかもしれません。

 

 

いとこの方が帰られて間もなく、父は静かに旅立ちました。

残念ながら妹たちは間に合わず。

私と病院でお世話になった方たちにぐるりと囲まれて息を引き取りました。

 

 

その後は葬儀やら、役所などの手続きやらで、私は忙しくしていたのは記憶にありますが、その頃のことはあまりよく覚えていません。

ただとても印象的だったことがありました。

 

 

 

 

役所の手続きがひと段落した帰り道。

ふと足元を見ると鮮やかな黄色いタンポポが目に留まりました。

顔を上げると桜が満開。

私はそれまで下ばかり向いていて、周りの景色が全く目に入っていなかったんです。

 

 

あの時の感動と言ったらなかったです。

モノクロの世界からいきなりカラフルな世界に飛び込んだ感じ。

なんて美しいんだろう!

「父がこの季節を選んでくれたんだ」と心の底から思えた瞬間でした。

 

 

 

 

あのぐるりと世界が変わった感覚は今も忘れません。

視界がパアーっと広がっていきました。

私はこの父からのプレゼントがあったから、今があると信じています。

 

 

同じように、大切な人を思い出す春を過ごしている方もいるかもしれませんね。
そんなみなさんの心にも、あたたかな光が差し込みますように。