

「今後10年の間に、私たちは人類の寿命が30年延びることを知るだろう。 ミトコンドリアの健康はその目標にとって不可欠だ本書はあなたの脳の力を 最大化し、強くてシャープで弾力的な頭脳を維持するための包括的な手引きである」
ミトコンドリアの「効率」を最大限に上げる
15億年前、地球は温かな海におおわれ、空気は猛毒──酸素──に満ちていて、これにさらされる生物はほとんど死んでいた。
しかし、いくつかのたくましい種のバクテリアが、酸素を使ってエネルギーを作る方法を身につけることで、厳しい環境に適応していった。このバクテリアは酸素をとりこんで、今日ではアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる物質を生成できたのだ。
やがてこの種の一つ──小さな紫色のバクテリアだったと思われる──は、もう一つのタイプの細胞に組み込まれた。これら組み合わされた細胞は次の10億年のあいだに進化し、動物を、そして人間を形成した。
この古いバクテリアは、いまだに僕らの内部にあって、細胞の成長に必要なエネルギー源であるATPを生成しつづけている。新しい研究によれば、このバクテリアは今日でも、科学者が期待した以上に広範囲に僕らの行動を司っている。実際、人間の感覚を秒単位で仕切っている。
このバクテリアは今日では何と呼ばれるか?
ミトコンドリアだ。
平均的なヒトの細胞は数百~数千のミトコンドリアをもつ。細胞がとても多くのエネルギーを要する部分──脳、網膜、心臓──では各細胞に約1万個のミトコンドリアを有している。つまり、人間の体には1000兆を超える数のミトコンドリアがある。腸内に生息しているバクテリアの数より多い!
そして事実、僕らの呼吸器系・循環器系全体──肺、心臓、血管──は、ミトコンドリアが僕らを生かしつづけるエネルギー、ATPを生成できるよう酸素を届けるために存在している。



あなたの命のエネルギー「ATP」とは何か?
ミトコンドリアが担う最も重要なこととは、あなたが食べたものからエネルギーを引き出し、酸素と組み合わせて、ATPを生成することだ。ATPが発見されたのは、ほんの100年ほど前でしかなく、もっと多くを学ばなければならない。しかし僕らはATPが心身にパワーを与えるエネルギーを蓄えていることは知っている。
人間のほぼ全細胞が、機能するためにATPを必要としている。これなしには、細胞は──だからあなたも──生き残ることができない。ミトコンドリア内で起こるエネルギー生成は、体の最大の機能だ。ATPはあなたの命の生命線と言える。
こんなふうに考えよう。人間は食料なしでも3週間は生きていられる。水なしでも3日ほどは生きられる。だがATPなしには、あっというまに死んでしまう。
※進行性癌、進行性難病にとって重要なポイント
脳はミトコンドリアのエネルギーで「思考」する
ミトコンドリアには、全身のすべてのシステムと機能のためのエネルギーを生成するほかにも重要な仕事がある。
細胞間のシグナル送信、細胞分化(ある種の細胞を他種に変えること)、細胞の成長と死のサイクルの管理などだ。そのことを思えば、ミトコンドリアはあらゆるパワーを生み出し、通信をコントロールし、何が生きて何が死ぬか(それはいつか)を決めているようだ。
この小さなバクテリアは、実際あなたの生体を牛耳っている。僕は自分の体が、何でも望みどおりになる1000兆のミトコンドリアをのせた巨大なペトリ皿に見えてきた。
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長くなりましたが次回に続きます![]()
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