遠心力を利用する事だけが唯一の回転方法ではない!
骨盤を回転させる為の方法というと先ず思い浮かぶのは遠心力を利用する方法だと思います。
これは回転力を生み出す方法としては一番単純で素人にも分かりやすい物だと思います。
しかし骨盤を回転させる方法は他にもあるのです。
それはテンセグリティの概念を素にした方法論で脚のラインで骨盤を引っ張る方法です。
例えば“アテール”から“アンドゥオールピルエット”を始める場合に“パッセ”に上げる膝だけを中心軸を通過する様にしてから外側に螺旋状に引き抜きます。 テンセグリティでは全身が互いに引っ張り合う事で形を保っていますから、膝が引っ張られれば骨盤が引っ張られ、骨盤が引っ張られれば・・・と云う様に引っ張る力は全身に波及して行きます。 つまり膝を螺旋状に引き抜くだけで全身が回転を始める訳です。
つま先も膝に引っ張られて膝の後を追跡するかの様に動くので脚は勝手に折り畳まれて“パッセ”の形になりますし、また膝が先行して動くと“パッセ”の脚は横開脚が常に最大になり大腿も下腿も“アンドゥオール”側に勝手に働きます。 またつま先は膝とは反対方向に常に引っ張られているので“パッセ”が安定します。
この回転原理では動かすのは膝だけでその他の部分は膝の動きに引っ張られているだけなので形が崩れる余地は全くありません。 “アンドゥオールピルエット”が崩れる大きな原因に軸脚を回してしまう事、腕を振り回してしまう事、“パッセ”が不安定になる事等がありますが、それらが起きないと云うのは大きなアドバンテージです。 他にも“プリエ”無しでも回転を初められる事もこの方法の優れた所で“ピケアンドゥオール”や“ポワント”からのピルエット等、一見すると回転力を生み出し難そうな場合でも極めて小さな力で回り出す事ができます。
また身体が安定して崩れ難いという事はそれだけ動きが洗練されて見え、小さな力で動き出せるという事はそれだけ軽く繊細な動きの表現ができるという事であり踊りのクオリティを爆発的に上げられる可能性を秘めているのです。
この方法を学ぶと多様な所に応用ができテクニックの幅を広げてくれます。
例えば“ドゥーブルソードバスク”や“アッサンブレアントゥールナン”等も軸脚に絡みつく様につま先を内側に引き込み、それに膝が引っ張られ、膝に骨盤が引っ張られる事で全身が回転します。 つま先を内側に引き込み続ける限り回転運動は全身に波及し続けるので、そのコントロールでシングルトゥール、ドゥーブルトゥールを使い分ける事もできます。
“アンボワテアントゥールナン”や“シェネ”等も同じ方法で行う事で左右回転の差が無くなり美しく素早く動ける様になるのでテクニックのクオリティが格段に上がります。
以前のブログにマリオネットになった様に身体をコントロールすると書きましたが、それだけでは身体の内部の引っ張り合いのイメージが難しく、最近めるもさんのブログで覚えたテンセグリティの概念を併用する事で難しいテクニックがどの様に構成されているかが説明しやすくなりました。 ただ生徒側がテンセグリティの概念を確りと理解しているという前提があっての事ですが。
ですからバレエを学ぶ者は皆テンセグリティの概念を確りと学んで完全に理解して欲しいですね。 それがプロも趣味の素人もバレエをより深く理解してより楽しくレッスンに励める事に繋がるのですから(^_-)-☆

