UCL とエーザイ、神経変性疾患に対する治療法の創出加速に向け共同研究契約を延長




ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London、以下 UCL)とエーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)は、このたび、神経変性疾患を対象とした、長年にわたる創薬共同研究を 5 年間延長し、2030 年まで継続することに合意しましたので、お知らせします。

本提携は、相互の信頼に基づく独自の提携モデルをさらに強化するものであり、UCL の学術研究力とエーザイの創薬開発力を融合し、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症をはじめとする神経変性疾患に対する新たな治療法の創出を加速することを目的としています。 

抗 MTBR タウ抗体 etalanetug(一般名、開発コード:E2814)は、本共同研究による代表的な成果の一つであり、現在、顕性遺伝性アルツハイマー(Dominantly Inherited Alzheimer's Disease:DIAD)を対象とした臨床第 II/III 相試験(Tau NexGen 試験)ならびに孤発性早期アルツハイマー病を対象とした臨床第 II 相試験(202 試験)において評価が進められています。

本共同研究には、これまでに総額 1,000 万ポンドが投資され、複数の創薬標的を対象とする8 件のプロジェクトが推進されてきました。今回の契約延長に伴い、今後 5 年間にわたりさらなる追加投資が行われます。

本提携では知識の共有を重視しており、これまでに 30 件を超える学術論文や学会発表などの成果を生み出してきました。

本共同研究から得られた知見が広く研究コミュニティに共有されることで、患者様に新たな治療を届けるという目標に向けて、神経変性疾患分野の研究をさらに進展させることに貢献しています。

今回の契約延長により、新たな治療メカニズムを標的とした共同研究プロジェクトを開始するとともに、UCL のさまざまな研究分野の研究者が共同開発に向けた革新的な研究アイデアを提案できる体制を強化します。


本提携では、今後 5 年間にわたり以下の取り組みを重点的に推進します。

• 有望な共同研究プロジェクトの創薬開発ステージへの進展

• 神経変性疾患領域における有望な新規創薬シーズの探索・育成 

• 専門研究ポストの創出と神経変性疾患領域における人材の育成の強化

• 国際学会や学術誌を通じた幅広い科学コミュニティへの研究成果の積極的発信

• 両組織の経営層から研究者まであらゆるレベルでの緊密な連携の維持 


2012 年に開始された UCL とエーザイの提携は、UCL の Translational Research Office(TRO)および Faculty of Brain Sciences により主導され、従来の産学連携を超えたオーダーメイド型のパートナーシップモデルを体現してきました。

過去 10 年以上にわたり、本提携は、臨床応用を見据えたトランスレーショナル研究の加速、初期段階の研究プロジェクトの育成、科学的課題と適切な専門知識との橋渡し、さらには共同出資による博士課程プログラムや両組織間の長期的な知識共有を通じた人材開発を推進する、ダイナミックなエコシステムを構築して
きました。

UCL の副学長(研究・イノベーション・グローバルエンゲージメント担当)である Professor Geraint Rees は「これほど深いレベルで長期にわたる産学連携は稀であり、UCL とエーザイの提携は、継続的な方向性の一致と信頼関係があれば、グローバルな健康課題への取り組みにおいて何が成し遂げられるかを示しています。

今回の 5 年間の契約延長により、サイエンスをさらに深化させ、研究成果を実用化へとつなげるとともに、次世代の研究リーダーの育成に向けた安定した基盤がもたらされます」と述べています。

本共同研究のステアリングコミッティの共同議長であり、UCL の Queen Square Institute of Neurology の Professor of Clinical Neurology である Tom Warner は「今回の提携延長は、我々の協業の成熟と、神経変性疾患における困難な科学的課題に挑戦する共通の志を示すものです。
今後は、有望な研究成果を治療薬として患者様にお届けする明確な道筋のもと、治療薬の実現に取り組んでいきます」と述べています。

同じく本共同研究のステアリングコミッティの共同議長であり、エーザイのチーフ サイエンティフィック オフィサーである、井戸克俊 Ph.D.は「UCL との提携の特徴は、神経科学研究の深い専門性と、初期段階の研究成果を患者様の治療ベネフィットへとつなげる力にあります。

Translational Research Office は、このパートナーシップを支える上で重要な役割を担っており、緊密に連携することで、有望な研究成果を患者様の新たな治療へとより効果的に前進させることが可能となります」と述べています。 

エーザイは、2026 年 6 月に、英国政府によるライフサイエンス革新的製造基金(Life Sciences Innovative Manufacturing Fund: LSIMF)の支援のもと、契約条件の最終合意を前提に、ハートフォードシャー州にある同社ハットフィールド工場への戦略的投資を発表しました。

これは、英国との関係強化に対するエーザイの長期的なコミットメントを示すものです。 

以上

エーザイ 6月30日