がん治療薬難病に適応拡大 

アバスチン 県立医大治験を主導 





県立医大の藤井主任教授



頭蓋内の左右両側の聴神経に腫瘍ができる指定難病「神経線維腫症2型(NF2)」に、がん治療薬アバスチン(一般名ベバシズマブ)を使えるようにする適応拡大を厚生労働省が19日承認した。


中外製薬が同日、発表した。NF2に対して承認された治療薬としては世界初。


県立医大が主導した治験で得られた知見が貢献した。


 NF2は遺伝性の疾患で、聴神経に腫瘍ができることで難聴やめまいなどを引き起こす。進行すると腫瘍によって脳幹が圧迫されたり、他の神経にも腫瘍が多発したりする。


発症率は2万5000人~3万3000人に1人で、国内には約800人の患者がいるとされる。


発症する平均年齢は18~24歳と若く、日常生活に大きな影響を及ぼす。


 これまで有効な治療薬はなかった。手術や放射線治療では聴力の温存は難しく、治療をためらうケースも少なくなく、治療薬が待ち望まれてきた。

 アバスチンは、同社が傘下に入る製薬大手ロシュが開発した分子標的薬。血管の新生を促すたんぱく質と結合して働きを阻害することで、腫瘍の増殖を抑える。


国内では2007年に発売され、直腸がんや卵巣がんなどに適応されている。



 県立医大が治験に取りかかったのは、アバスチンがNF2に有効とする海外の報告がきっかけだった。

 13年に臨床研究、19年に有効性などを調べる医師主導治験に着手。希少難病のため患者数が少ない上、コロナ禍によって期間延長や資金難など治験の継続が危ぶまれた時期もあったが、中外製薬の支援も得てデータを集めた。

 初期治療でアバスチン投与群と非投与群を比較した結果、聴力が改善する患者の割合では有意な差はみられなかった。


ただ、聴力の維持・改善の度合いに約11%の差が現れたり、腫瘍が小さくなる傾向が示されたりした。


 高血圧といった副作用が認められたが、安全面でも良好と考えられるという。

 県立医大では、福島労災病院長を務める斎藤清名誉教授と脳神経外科学講座の藤井正純主任教授が2代にわたって研究を進めてきた。



藤井主任教授は「患者に新たな治療選択肢を届けられる可能性が広がった。今後も希少疾患や難治性疾患に対する研究・治療開発で貢献する」とコメントした。



読売新聞 6月20日

https://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20260620-GYTNT00001/




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福島県立医科大学 脳神経外科学講座

https://www.fmu.ac.jp/education/medicine/department/neurosurg/