キノコに含まれる成分 ~認知症リスク低減の可能性(九州大大学院 二宮利治教授)~
— 時事メディカル (@jijimedical) 2026年6月17日
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キノコに含まれる成分「エルゴチオネイン」が認知症の発症リスクを低減させる可能性のあることが、福岡県久山町(ひさやままち)で行われている疫学研究で明らかになった。
主任研究者である九州大大学院医学研究院(福岡市東区)衛生・公衆衛生学の二宮利治教授に詳細を聞いた。

◇多様性のある食事を
久山町は福岡市に隣接する人口約9000人の町で、住民の年齢・職業分布は全国平均とほぼ同じとされる。
65年前から同大研究グループが住民を対象にさまざまな角度から健康調査を続けている。
これまで、認知症のリスクを下げる食事パターンとして、大豆・大豆製品、野菜、海藻類、牛乳・乳製品、果物(ジュースを含む)、イモ、魚の摂取量が多いという結果が示されていた。「特定の食品のみに偏るのではなく、多様性のある食事が大切です。
◇リスクがほぼ半減
二宮教授らは昨年9月、エルゴチオネインと認知症のリスク低減に関する研究結果を発表。
同成分はヒラタケ、マイタケ、ポルチーニなどに含まれ、炎症や酸化を抑える働きがある。人の体内では合成されない。
65歳以上の住民1344人を2012年から23年まで約11年間(中央値)追跡調査したところ、273人が認知症を発症した。
調査開始時の血液中のエルゴチオネイン濃度で参加者を4グループに分けると、最も高いグループは、最も低いグループと比べて認知症を発症するリスクがほぼ半減していた。
アルツハイマー型認知症でも、それ以外の認知症でも同様の傾向だった。
一方、エルゴチオネイン濃度が高い人の認知症リスクの低下は、野菜の摂取量と関係なく認められた。
ただし、エルゴチオネインそのものが認知症を予防するのか、エルゴチオネインが豊富なキノコを多く摂取することが良いのかについては明らかになっていない。
二宮教授は
「タンパク源の肉、魚、大豆、食物繊維や抗酸化物質を摂取できる野菜など、バランスの取れた食事の一環でキノコを取り入れる。
その結果として血液中のエルゴチオネイン濃度が高まればよい、と考えてはどうか」と提案する。