本文より抜粋
知らぬ間に食べている?食卓にひそむ”問題点" フードテック(フードテック研究会は昆虫食にも関与)を享受する人が知らない「真実」
「クリスパーキャス9」という技術を用いて体内の満腹感遺伝子を破壊することで、旺盛に餌を食べるように操作し、通常の1.9倍の早さで成長させたフグで、いま日本政府が強力に開発を進めている、「ゲノム編集食品」の一つなのです。
不安を覚えた市民の声を代弁した市議会議員が「安全性の根拠」を議会で質問したところ、行政側は「国が安全だと言ってます」というだけで根拠は出さず、市民団体が厚労省に問い合わせても明確な回答がありません。
同じ技術で開発された魚に、通常より1.2倍の身があるゲノム編集マダイがありますが、ドイツのバイオ技術影響調査機関「テスト・バイオテック」からは、マダイの椎骨の位置が変わり、骨格障害を起こしていることから、食べた人への影響に強い懸念が出ています。動物福祉先進国である英国の友人からは、背骨の曲がったゲノム編集魚についてこう指摘されました。「子どもに、説明できますか?」。果たして、日本の私たちはどうでしょうか?
国際的な学術雑誌『ネイチャー』に掲載された論文では、クリスパーキャス9を使った実験で、狙った部位やその周辺に望ましくない大きな変化が起きたり、染色体が損傷したりした事例などが報告されています。
パンデミック、気候変動、ウクライナ侵攻などの世界的危機も、フードテックへの強い追い風となりました。「危機」を煽られて、私たちが不安や恐怖で思考停止している間に、安全性や環境負荷が十分に検証されないまま、一気に新しいテクノロジーが入ってきてしまう。そのわかりやすい例の一つが培養母乳です。
2021年に米バイオミルク社が世界で初めて開発に成功した、母体から採取した細胞に栄養素を加えて培養した人造ミルクで、母乳とほぼ同じという触れ込みで、商品化が進んでいます。コロナ禍の商品不足と、ビル・ゲイツやジェフ・ベゾスらが「温暖化ガスの原因になる粉ミルクを阻止する」目的で創設した脱炭素ファンドからの出資が、大きく後押ししました。培養母乳も、培養肉と並んでまだ不確実性の高いテクノロジーなのです。
コロナ危機を背景にした“ワクチンレタス”にも驚きました。
“注射嫌いの子”にはワクチンレタスを食べてもらうという、漫画のような話です。
「食べるワクチン」自体は以前から研究されていましたが、いまカーネギーメロン大学とカリフォルニア大学が研究開発を進めているワクチンレタスの問題は、「mRNAワクチン」という、全世界でまだ治験中のものを、レタスにまで入れてしまおうというその発想にあります。
ご存じの通り、mRNAワクチンは現時点でも未知の部分が多く、長期的な人体への影響も 検証されていません。これを子どもの口に入れて将来なにか起きても、もちろん誰も責任はとらない。日本は規制が緩いので、気をつけないと表示がつくかどうかさえわかりません。
【関連書籍】
『ルポ 食が壊れる』(堤未果著。新書990円)。3年にわたる国内外の取材から見えてきたのは、華々しいフードテックの裏側にある、消費者が知らない事実だった。
関連記事(紹介のみ)
①「農林水産省フードテック研究会 中間とりまとめ(令和2年7月)(再掲)
②「フードテック官民協議会」(令和2年10月)
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