『礼節を磨くとなぜ人が集まるのか』(七條千恵美著・青春出版社) | 発想の方程式〜知恵が価値を生む時代

『礼節を磨くとなぜ人が集まるのか』(七條千恵美著・青春出版社)

『礼節を磨くとなぜ人が集まるのか』。

この本の著者である七條千恵美さんのお話を、以前出版記念セミナーでうかがったことがあります。

 

離陸の案内で、膝の上の荷物を上の棚や前の座席の下にしまうようにというアナウンスをする際、同時にCAさんが機内をチェックされますね。

 

「目の前に乗り慣れたお客様がおられます。まだお荷物は膝の上です。この時、もしあなたがCAならなんと声をかけますか?」

 

通常であれば「お客様、お手荷物を上の棚か前の座席の下にお入れいただけますでしょうか」と敬語で声をかけるでしょう。

 

しかし、乗り慣れたお客様に対しては、この声の掛け方ではNGだということなのです。

答えは、本書の68ページに書かれているのでぜひ書店で手に取り確かめていただきたいのですが、ポイントは「お客様に恥をかかせないこと」。

 

この答えを聞いた時、私は感銘を受けました。

そして、敬意の表現には、敬語だけでなく「言葉にしないことで敬意を表現する」というものがあるのだと知りました。

 

言葉にしないのですから、もちろん簡単な表現ではありません。

さらに、お客様というのは多様で、受け止め方も様々です。

 

正解がひとつではない仕事で、どんな風にその時々のお客様にふさわしい対応をすればいいのか?

相手への敬意に満ちた、礼節ある目線や所作はどうすれば表現できるのか?

 

マニュアルにはないその答えの見つけ方は、人それぞれの経験知の中にあるのだと思います。

 

この本では、その言葉にしにくい経験知が分かりやすく説かれています。

しかも、その経験値は元JALのサービス訓練教官として1000人以上の訓練生を指導した著者ならではです。

 

 

 

難しい相手にも伝わる言い方の工夫

本の中から、私が特に興味深いと感じたエピソードを引用します。

 

ある時、著者は、とても不機嫌そうに見える美しい外国人CAと一緒にビジネスクラスの担当をすることになります。

仕事が始まっても不機嫌な様子は収まらず、お客様からも苦情が上がり始めたそうです。

彼女にしてみれば「いい加減にしてください」と怒りたいのが本音でしょう。

 

しかし、著者はこう言います。

(”   ”部分は引用)

 

少し疲れていますか?お客様も私たちもあなたの

チャーミングな笑顔が見たいと思っていますよ。

 (p141)

 

素晴らしい。

お客様のことをよく考えるだけでなく、不機嫌なCAまでも笑顔にしてしまう珠玉の一言ですね。

 

相手ファーストの考え方は一朝一夕に身につくものではないかもしれません。

しかし、この本のエピソードをひとつひとつ拾い上げるように読み進めれば、著者の経験をなぞるように、想像の世界で追体験することができます。

 

ぜひ、手に取ってみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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