先日、このような質問をいただきました。

 

お稽古の時に、お道具の名前や、茶杓の名前を聞かれると思うんですが、どうやってたくさんあるお道具の名前を知ったり、覚えたりするんですか?

 

みなさん本とかで勉強するんですか?

 

 

そこで今日は、茶道で「覚える」ことについて、書いてみたいと思います。

 

・そもそも、点前や道具を覚えているのか。(←えーー!?)

・無数にある道具の名前を、どうすれば覚えられるのか。

 

などについて、私がやってき事や考えをお伝えしますね。

 

 

市川弘美

※眉間にシワっぽい表情ですが、楽しんでますよ^^。

 

 

 

点前は覚えるもの?

 

 

「お茶をやっている」と話すと、

 

「覚えるの、大変じゃない?」

「点前の順番とか、道具とかいっぱいあるんでしょ。よく覚えられるね。」と言われます。

 

 

えっとーー。実は、あまり覚えていません…(笑)。

 

点前は、季節によって異なり、また道具によって異なり、何通りもあります。一年に一回だけ、稽古ができる点前もあります。正直、全部を完璧には覚えていません。

 

点前をするのは、『「覚える」のが、目的ではない』ということかな。美味しいお菓子とお茶を召し上がって、この場を楽しんでもらえたら。そんな風に思いながら、点前に集中しています。

 

もちろん、お茶が大好きで30年やってきたので、覚えている点前もあります。

 

また、「覚えたい」時や「覚えなくてはいけない」時には、教本で予習・復習をします。

 

例えば、初釜「炭点前」「重ね茶碗」をすることになれば、教本を何回も読み、シミュレーションをすることもあります。

 

そして、覚えたことは、稽古や茶会を重ねるうちに、いつの間にか「身に付いて」いるんです。「染み付いてる」とも言いますね!

 

 

市川弘美

 

 

道具の名前はどうやって覚える?

 

お茶道具には、定番のものもあれば、「一点物」もあります。使う道具の割合から言うと、趣向を凝らした「一点物」が多くなります。無数にありますね。

 

覚えても覚えても、次から次へと新しい知識が必要。

 

という印象があるかもしれませんが、そうでもありません。

 

知識は、積み重ねられるからです。

なので、新しい道具との出会いの度に、ゼロから知識が必要というわけではなくて、既にある知識が土台となり、新しい知識が足されていきます。

 

「棗」という基本のカタチを知っているから「〇〇棗」(〇〇は模様の名前)というのが、すんなり受け入れられますね。

 

稽古でかかっていた掛け軸の禅語を、他の席で拝見することもありますよ。同じ禅語で別々の筆、ということですね。

 

お筆がちがっても、「見たことのある禅語」なので、ゼロからの知識がは、要ではないのです。

 

同じお筆で、違う禅語の掛け軸も、お見かけします。「あ、どこかで、拝見したことのある方のお筆だ」と分かるわけです。

 

そんなことを繰り返しながら、初めての掛け軸でも、何を書いてあるのかを、ある程度読めるようになります。

 

 

image

※「円相 無尽蔵」前大徳 朴堂

「えんそう むじんぞう さきのだいとく ぼくどう 」ふで

 

 

「覚える」ということ

 

今回の質問を繰り返しますね。

 

お稽古の時に、お道具の名前や、茶杓の名前を聞かれると思うんですが、どうやってたくさんあるお道具の名前を知ったり、覚えたりするんですか?

 

みなさん本とかで勉強するんですか?

 

 

ポイントです。

 

・点前をするのは、覚えることが目的ではないということ。

 

・覚えなきゃいけなくなったら、教本で予習・復習をすること。

 

・稽古で点前の数を重ねて覚えたら、「身に付く」こと。

 

・新しい道具に出会った時には、それまで積み重ねられた知識があるので大丈夫、ということ。

 

このあたりでしょうか。

 

それと、もう一つ私がとても大切にしていることがあります。

 

それは「本物を見る」こと。

 

懸け釜のお席に行き、美術館に行き、様々なお道具を見てきました。それが、役に立ち、知識が増え、心も豊かにしてくれていると感じています。

 

こちらについては、機会をあらためてお伝えしますね。

 

 

市川弘美

※写真撮影協力:お茶のみどり園

 

 

 

ではでは、こんどのお稽古も楽しんでくださいね。

またー!

 

 

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