私は2018年3月末に、20年以上勤めさせてもらった職場を辞めた。
理由は、心理カウンセラーになるための勉強をしたかったから。
通信教育で勉強をしていたものの、うまく勉強の時間を取れなかったり、期限付きの勉強に焦りを感じたりして、私には通信教育は向いていないことがわかった。
いずれは、心理学を学べる学校で、カウンセリングをしっかり学びたいという思いがあったから、思い切って仕事を辞めることにした。
なぜなら、仕事のために授業に参加できない…というストレスを感じたくなかったから。
とにかく、集中して勉強をしたかった。
ちなみに、前の職業は公務員。
きっと、周囲の人達は「もったいない」とか「仕事をしながら勉強すればいいんじゃないの?」と言うだろうと思っていたが、予想を裏切らず、その通りの反応だった。
しかし、数少ない私の理解者たちは、私をとても応援してくれている。
その内の一人が、父である。
正直、父に仕事を辞める決心をしたことを伝えるのは、とても抵抗があった。
父はその時、もうすでに70歳を過ぎており、40代半ばでまだ未婚の私が仕事を辞め、新しいことにチャレンジすることを知ったら何と言うだろうか…と、父の心境を慮るとなかなか言い出せなかった。
きっと、「もったいない」とか「今更辞めてどうするんや?」と言われるに違いない…と、決めつけていた。
2017年のお正月が過ぎた頃だったと思う。父に、将来のことを話したのは…。
晩ご飯を食べながら、ゆっくりお酒を楽しんでいた父に、それとなく話をし始めた。
将来やりたいこと、そのために仕事を辞めたいと思っていることを、平静を装って普段通りの調子で話した。
それを聞いた父の第一声は、
「よく言った!そんなにやりたいことがあるんなら、やればいい!なんも心配せんでいい。ワシが応援するから!」
と、あっさり認めてくれ、
「いやぁ~、そうかそうか、やりたいことがあったんかぁ…。それ聞けてわしゃあ嬉しいわ!」
と、ご満悦で、ますますお酒が進んで上機嫌になった。
それを見て面食らったのは、私の方だった。
あっさり認めてくれた挙句に、応援までしてくれるって…???
つまり、私は父を思いっきり偏見の目で見ていた。
70代という高齢である父が、公務員を辞めろなんて言うはずがない…と思い込んでいた。
なぜなら、“そんな年で、変化を喜ぶはずがない!” と思っていたからだ。
70過ぎたおじいさんが(あっ、失礼
)こんなこと言えるかねぇ…。
父のとても若い感覚に、私はただただ驚いた。
そして、続けて父が言う。
「やりたくないことを、いやいや続けるよりも、やりたいことにチャレンジしたほうが、よっぽど楽しくて、面白い人生になる。もし、途中で“この道は違ったかな?”と思ったら、またそこから勉強して違う道に進めばいい。いっくらでもチャレンジできる年齢なんやから、やりたいことをやりなさい。」
父のこの言葉に、私は驚きと共に、尊敬の念を抱いた。
私は父と何十年も一緒に過ごしているというのに、父がどういう人なのか…ということを初めて知ったような気がした。
そして、私がなぜこの父を選んで生まれてきたのか…
ちょっとわかったような気がした。
今の私があるのは、間違いなく父のおかげ。
70代半ばである父のメンタルは、私よりよっぽどタフで若々しい![]()
ちょいちょい深い言葉をさらりと言って、尊敬の念を抱かせてくれる“父”は、
間違いなく “私のメンター”である。![]()