『人が辞めない小さな会社の社員トラブル解決大全』は、人のトラブルを知り尽くすプロによる汎用性の高い実用書
『人が辞めない小さな会社の社員トラブル解決大全』(福留文治著・同文館出版)は、特定社会保険労務士・福留文治さんによる新刊です。
「専門用語が出てくるムズカシイ本かも」実を言うと、読む前はそう思っていました。(ゴメンナサイ!)令和6年の社労士試験の合格率は6.9%らしい。超難関ですよね。
もちろん著者の社労士登録はそれより以前ですがそんな狭き門を潜り抜けてきた方が書かれる本、素人の私には理解できないかも……と思っていたのです。
しかし、先入観はいけませんね。ページをめくると、前書きから早速引き込まれます。
会社で起こる“人のトラブル”を知り尽くすプロ
面白い! 自分の浅はかな思い込みをくるりとくつがえされました。
それもそのはず、著者は社労士であり社員トラブル研究家。
ハラスメント、勤怠不良社員、有給休暇トラブル、賃金労働時間トラブル、メンタルヘルス不調トラブル……
会社の中で起こるトラブルを知り尽くしているプロです。
それだけに、人事担当者だけでなく被雇用者の立場で読んでも興味深くスイスイ読めるのです。現場にいれば感じることでしょうがトラブルの種類は似ていても状況はおそらく微妙に違うことは多いもの。
その点、この本で提示されているのはノウハウだけではありません。
相談者に共感し、寄り添ったアドバイス。現場を知り尽くしてのことなので汎用性が高いのです。
たとえばハラスメントが怖くて普通の注意もできなくなる事例では「提出書類の誤字」が取り上げられています。
「そういえばうちでも、誤字ではないけど似たようなちょっとしたことが……」と思い当たるはず。
魚を与えるのでなく、釣り方を教える本
優れたビジネス書には、単に面白かった、学びがあっただけでなく、無意識に「そういえば……」と自分の例に照らし合わせてしまうような働きかけがあります。
良き助言者とは、魚を与えるのではなく釣り方を教えるとはよく言われますが、この本がまさに、そう。
例えば、「誰も把握していなかった就業規則」(P212)の例では、あるクリニックの事例をあげたあとに、「就業規則等の不明瞭による社員トラブル 基本のステップ」が書かれています。
本書を徹底的に読み込んで事にあたっていけば、だんだん応用力がついていき、この本に書かれていないトラブルまでも解決できる人事担当者になれるに違いありません。日本中の会社にぜひ1冊、社長に1冊、人事担当者に1冊。最低でも3冊ずつ、置いてもらいたいですね。
最後に……人間関係のトラブルは、会社だけに限りません。
人と人がいるところには、大なり小なりトラブルがつきもの。さまざまな人間関係に悩む方が読んでも大いに学びの得られる良書。おすすめです。
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